九章三節【テディ・ダーリン・テディ】
inプトレマイオス2
「…………何をしている?アレルヤ・ハプティズム」
「え」
「何って……お裁縫?」
「それは見ればわかる。……マリーと、アニューと、どうしてそんな事をしているんだ」
「あー、えっと。二人がフェルトとミレイナにプレゼントするから、それを手伝って……」
「……僕も混ぜろ!!!!!」
「いいですよ、一緒にやりましょう」←マリー
「みんなでやった方が楽しいですしね」←アニュー
(チクチクチク……)
「くっ……アレルヤ・ハプティズム!お前はどうしてそんなに器用なんだ!」
「怒らないでよティエリア…。それに、器用なのはアニューだよ、もう二つ目に入ってる」
「出遅れたとはいえ、悔しい」
「まあまあ、ティエリアさん。そんなに焦らなくっても。ほら…アレルヤみたいにゆっくり縫ったらいいんですよ」
「だが……っっ!」
(ちくちく……ぷすっ!)
「ああほら、焦るから…大丈夫?ティエリア?」
「わたし絆創膏とって来ますね」
「〜〜!難しい!難しいぞテディベアめ!」
「ぬいぐるみにあたらない」
「アニューは二つも作って、もう一つはどうするんだ?」
「もちろんライルにあげますよ〜。あの人の部屋、なんにも無いから」
「……アレルヤは?」
「あーどうしよ、何にも考えずに縫ってたからなあ」
「この二つのお揃いのテディベアはミレイナとフェルトへの贈り物だったか」
「ええ。お花とリボンを付けて…可愛いでしょう?ティエリアさんも、誰かにプレゼントしては?」
「ふむ……プレゼントか……」
「刹那にあげたら?」
「喜んで貰えるだろうか……す、少しばかり出来が悪い」
「(少し?)……いや!刹那は喜ぶよ!絶対!ねっ?!マリー、アニュー!」
「はい!刹那さんなら喜んでくれます!」
「そ、そうね……喜んで貰えると思いますよ、ティエリアさん」
「………………捨ててしまうのは勿体無いからな!仕方ない!」
「………………何をしているんだ」
「あ、刹那さん」
「みんなでテディベア作ってるんだよ」
「……その、アレルヤの後ろにいるのはなんだ?」
(こそそ……びくっ)
「ティエリア・アーデ?」
「せ、刹那・F・セイエイ……!」
「ほら、ティエリアさん頑張って!」
「こここここここここれを!君に!預ける!」
「…なんだこの…なんだ?」
「どこから見てもテディベアだろう!?」
「……アレルヤ、作り方教えてくれ」
「いいよ」
(チクチクチクチク…)
「刹那早っ!」
「すごいわ刹那さん…!」
「完成」
「う…僕より早くて僕より上手だと…?」
「ティエリア。それを貸せ」
「交換だ」
「なっ…どういう事だ!刹那!」
「これ以上ティエリアの手が絆創膏だらけになったら困るからな(戦闘に支障が出る)」
「刹那…(僕の手が傷付くのが嫌なのか?!嫌なんだな?!)わ、分かった…」
「交換しあうのもいいですね〜」
「さて、アニューさん、私たちもそろそろ渡しに行きましょ!」
「はい。あ、アレルヤさん、もうすぐ完成ですよね?目に使うビーズ、そこのケースに入ってるので、好きなの使ってください〜」
「ありがとうアニュー。マリーも、いってらっしゃい」
〜それからしばらくして〜
「ふう、出来た…あ、ビーズ縫い付けなきゃ」
「わあ、色んな色があるなあ。………………」
「…くろ…あか?違うな〜……ちゃいろ?…だと毛に埋れちゃう」
「よし決めた!この色にしよう!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……ん?」
「何?ニール」
「久し振りに来たら、なんか変わったものがあるなあって……テディベアか?これ」
(もふもふ)
「あ、うん。この間アニューとマリーと、ティエリアと一緒に作っ……」
「どうした?」
「あ〜……ううん、別になんでも無い……」
(まさか、髪の色と瞳の色を無意識に一緒にしちゃってたなんて言えない……)
おわり!
1/08-09
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