「先輩、俺と付き合うてください」
急に空き教室に連れてこられ告白してきた彼はクラスメイトの後輩。挨拶位はするが、そんなに仲良くもない。
何故私? と思いつつ、申し訳ないけど好きな人がいるから..と丁重にお断りすると、
「好きな人って白石部長スか?」
彼の言葉に心臓が大きく跳ねる。図星というやつだ。
「白石部長には彼女いますよね」
そんなの勿論知っている。言われなくても。
「なのに、まだ追いかけるんスか」
「部長も困るとか考えへんの?」
見て見ぬふりをしていたことを正面からズバズバと。
しかし、彼の言っていることが正論だとしても、彼には何の関係もない。
「俺に言われたない、て顔してますね」
ハッ、と鼻で笑い私に近付いてくる。なんだか怖くて後退りすると、強い力で手首を掴まれた。
「逃がすわけないやろ」
掴まれた手首をグイ、と引かれ彼の顔が鼻先の距離に……
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