N.W.D -稲妻11別館-


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犬しゅうやと猫ゆうと 3


 お気に入りのラグマットの上で大きく伸びをした鬼道は、ニャァと気持ち良さげに一鳴きして、だらしなく四肢を投げ出した。
 このまま眠りに身を任せようと思った矢先に、わふ、と耳に馴染んだ鳴き声を拾って、ピクピクと髭が動く。
「鬼道!」
 わふ、と覆い被さってきた影が何かなんて確かめるまでもなく、鬼道はふい、と顔を背ける。
 けれども、今はじゃれたくない、という鬼道の意思表示に気づいていながら、豪炎寺は、わふわふと鼻先を鬼道の腹に押しつけて、ぐいとその軽い身体をひっくり返した。
 ニャ、と鬼道が擽ったそうに身を捩るのにも構わず、はふはふと腹を柔らかく甘噛みする。
 ニャニャ、と鬼道が耳をピクピクさせながら、けれども気持ち良さそうに尻尾を豪炎寺の身体に巻きつけるように動かした。
「こら、豪炎寺」
 咎めるような言葉とは裏腹にその声は甘い。
 普段、昼寝の邪魔をしてばかりのお返しだと言わんばかりに、あむと柔らかな腹を食まれると、鬼道の身体がびくと跳ねた。
 大きく開けた口中に鋭い犬歯が覗く。
 まるで今にも食われそうな錯覚にぶるりと身を震わせながらも、鬼道の口からは、ニャァと甘い声がもっとと誘うように漏れる。ペロペロと舐めては、あむと食むのを繰り返されて、じわじわと熱が全身に広がるような感覚を覚えて、鬼道はぎゅっと目を瞑った。

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