第二回 初期の初期設定

「さて、闇止ミ病ミ。じゃない方のイヴさんにも帰ってもらった事ですし、イヴさん、改めまして宜しくお願い致します」


「あー、うん。よろしく……」


「複雑そうな様子は拭えないですね」


「このコラムの趣旨は、一応作品の裏側を語るということですので、今回は真面目にやりましょうか」


(いつも真面目にやってくれたらいいんだけどなー……)


「闇止ミ病ミ。は、説明のところにも書いているけど、箱庭の乙女の欝な初期設定を、今の件ぬえなりに弄ったものよ」


「今の作者なりに?」


「そうよ。本当に一番最初の箱庭の乙女は一言で言うとアダムとイヴをモチーフにした『悪夢ホラー』だったらしいわ」


「悪夢ホラーといいますと?」


「当初私はイヴではなくて、現実世界に生きる普通の少女「清水伊吹」という設定だったの」


「その名前は固定なんですね」


「下の名前の伊吹はすぐに決まったみたいだけど、上の名前は凄く迷ったみたいね。苗字の由来は、聖水=清らかな水=清水ということらしいわ」


「ひねりがないですね。直球過ぎません?」


「キャロラインさん!もう余計なことは言わないで!!」


「話を戻してもいいかしら?」


「あ、はい。すみません」


「で、大まかな話の流れは今とあまり大差ないみたいなんだけど、レボルトとアダムの役割が最初逆だったらしいの」


「といいますと?」


「今はレボルトを悪役と見せかけて、実はアダムが悪人でしたーオチでしょ?」


「はい」


「レボルトが本気で病んでて、伊吹をイヴだと勘違いして、ひたすらに狂気的に追い求める。それをアダムがなんとか逃がそうとするんだけど、伊吹はもう誰も信じられなくなって、最終的にレボルトを選んでしまって、監禁調教バッドエンド。伊吹はそれから永遠に目覚めることはありませんでしたーっていうのが当初の流れだったらしいわ」


「……自分で言ってて悲しくなってきませんか?」


「キャロラインさん!!」


「あ……うん。目眩がしてきたわ」


「しっかりイヴさん!」


「ありがとう……。じゃあ、気を取り直して頑張って話を続けるわ」


「で、どうして今の闇止ミ病ミ。になったのかと言うと、愛着が湧いてきちゃったからなんですって」


「容赦なく作中でイヴさんを酷い目に合わせてる人の台詞とは思えませんね」


「それは……」


(どうしよう、カバーしきれない)


「もうその辺は開き直ってるからいいわよ。それがヤンデレ作品に出るものの宿命よ」


「こう……なんでしょう」


「嫌な予感がひしひしと」


「今から身構えといた方がいいと思うわよ。特にキャロライン」


「……そもそも、顔の左半分を包帯でぐるぐる巻きの時点でもう不幸に見舞われてる予感しかしませんけどね」


(サブキャラで良かったぁぁぁぁ)


「でも、愛着が湧いたっていうのだけが理由じゃないみたいなのよね。
それもあるけど、これだと話の流れが予測できすぎて面白くないっていうのが一番の理由みたい。
ユウ様はその過程で生まれたダークホースみたいなポジションらしいし。
そこから、もう少しなんとかしようとなって、箱庭の乙女が生まれるんだけど……ここから先はもう一人の私から聴く機会があるんじゃないかしら」


「はい、その時を楽しみにしてますね。あ、でもまたバッドエンドなんでしょうか……」


「その点については大丈夫ですよ。箱庭の乙女はハッピーエンド確定らしいですので」


「何だかんだ言ってるけど、もう一人の私にはもう少しましなエンディングを迎えて欲しいものだわ……」


「イヴさんっ!なんていい人なんですか!!」


「ところで、BLOODY・NECTARはハッピーエンド何ですかね」


「え、いやそんなこと、私に聞かれても」


「そこは作者の技量と気分の問題でしょうね」


「作者仕事して!!」


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