俺とおっちゃん・小ネタ(?)
今日も仕事が終わり、図書館へ行く。俺はこの街の誰よりも図書館に行ってるかもしれない。
「お姉さん、こんにちは」
「あら、イズルくん。こんにちは。そうだ、イズルくんは確か、調和者様に興味があったわよね?」
前にお姉さんに調和者の本を教えてもらったことがある。お姉さんはそれを覚えててくれたようだ。さすが図書館のお姉さん。
「うん」
「書庫の整理をしてたら、調和者様をモデルにして書かれたって言われてる本が出てきたの。読んでみる?」
おおー。調和者の本。多分俺自身も調和者だろうし、これは興味がある。
「うん!」
俺は元気よく返事したものの、なぜか本を薦めた側のお姉さんの顔が曇る。
「ただね…イズルくんには早いかもしれないわ。読むのがしんどかったら、途中で読むのを止めてね」
どんなお話なんだろう。難しい話なのかな。
「そっかあ。でも、読んでみるよ」
難しい言葉が出てきたらおっちゃんに聞こうっと。
俺と同じ人なのかな。違う世界に来ちゃった人の話。
どんなのだろうな。
わくわくな気持ちで本を抱え、俺は足取り軽く家に帰った。
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