製造禁止されている筈の特殊な薬を天人が持ち込み陰でばら撒いている云々かんぬん、経緯は以下省略。

「……銀時?」

そんなこんなで雪成が見た目も中身もちっこくなった、以上!!

「どうした?変なもんでも食ったか?」

呆れた様な目で俺を心配する雪成はヅラどもと会うよりも前、あの村にいた頃の雪成だ。口調と髪形で分かる。てか変なもん食ったのはお前だっつの!馬ー鹿!

「変わったのは俺じゃなくてお前だ、雪成」
「ほう、説明してもらおうか」
「……一回しかしねえからな、耳かっぽじれ」

昔からやけにどっしり構えてはいたが、こういう事態になっても喚かねえのかよ……。かくかくしかじか、まるまるうまうま。未来の自分が薬入りのジュースを飲んでこうなったのだとあっさり理解した雪成は松下私塾を新鮮そうに眺めている。

「まさか大人になっても先生なんざやってっとはな……」

縁側に座って教本を捲り、苦笑しながら読み進める雪成。劇場版の俺と違ってタイムスリップじゃなく身体が縮んでるだけだから知らねえことを知っても問題はねえだろ。仮に過去に異変が!とか起こっても銀さんなんもしねーぞ。

「存外、肌に合ってるみてぇだな?まったく、金にならねえだろうに」
「本当にな。毎日クソガキ共相手にしてなにが楽しいんだか」
「ハンッ、どうした、ブーメランを投げるのが趣味か?クソガキ相手にしてんのは昔からだっての。昼間どころか夜もずっとな!…………いや、そうか。なるほど……」

あん?なんだ?何故か腑に落ちた様な顔に急に変化した雪成を怪訝に見つめた。雪成はくくっと笑いながら俺を見上げ、目を細める。

「お前みたいなガキが他にいたら、放っておけねぇもんなぁ。クソほど大変だが、バカみてぇに楽しいんだ、これが。遣り甲斐があるし、退屈しねぇよ」
「…………」

雪成にぎりぎりと関節技をかける。いや別になんの意味もないけど。なんとなく関節技仕掛けたくなっただけだけども?

「イッだだっだ!!テメェ!銀時!体格差にかこつけて良い気になんなよ!!」
「ふはははは!!今が大チャーンス、沢山可愛がってやる!!覚悟しろ!」

不意突いて兄貴ぶるなよ!!!馬鹿!!


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