俺の中をじわじわと侵食してくる
まるで、
水の中に落とした絵の具の様に
ゆっくりと、しかし確実に
「守ってやりたい」
俺の意思となる
ただ、
ただただ純粋に
守ってやりたいと思うのだ
「旦那…ここはオイラが」
「ダメだ、俺も一緒にやる」
「でも、任務がっ」
「お前が死んじまったら元も子もねえからな」
まさか俺がこんなことを言うとはな、と
俺の中にいる第三者の俺がクスリと笑う
少なからず拒絶反応を憶えるが
一度溶け出した絵の具は
だんだんと俺の心を支配する
「勝って、2人で帰る。わかったか?」
「うん!」
敵は100人を軽く超えていて
圧倒的に不利なのは分かっている
でも
「お前となら、大丈夫だ」
きっと
きっと
きっと