辺りに飛び散った黒く変色した血の跡
爆発によって作られたらしい岩の山
その場所はすぐに見つかった
土遁で周りの岩を砂に変え、
その場所を掘り進める
深く
深く
深く
掘り進めていくと
堅いところへ行きついた
どうやら、ここがこの穴の最奥らしい
何かがそこに存在している
この一面茶色のこの場所には
あまりにも不似合いな銀色
「なんでお前がこんなところにいるんだ」
もちろん、開いたままのその口から声が返ってくることはない
「お前は俺の隣にずっといるべきだったんだ」
それでも俺は話しかける
声が返ってくることはない
涙なんて
遠い昔に
枯れ果てた
地上に戻り
拾い集めたものを縫い合わせ、
ひとつになった飛段を背負う
そして、俺は歩きだす
「飛段、今日はお前の好きな青い空だぞ」
声が返ってくることはない