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離れ離れになっても、いつか、どこかで





携帯電話の着信音が鳴る


歩きながら受信ボックスを開く




『今日彼女とデートだからパスな

お前もそろそろ彼女作れよ(笑)』




なんだかイラついたので、削除しておいた



そんなことよりも講義に遅れてしまう、と

速足で渡り廊下を歩いていると

先生らしき人とすれ違った









目が合ったのは、一瞬。








その一瞬で感じた違和感に俺は足を止める


なんだ、この感じ

何か忘れてる

しかしその何かが分からない

脳に霧がかかって視界が曇る



「おい、携帯落としたぞ」



声をかけられたので振り返ってみると

さっきの先生が俺の携帯を拾っていた



「…ありがとうございます、うん」

「うんって…変な語尾だな」



そう言うと先生は踵を返した



「あ、あの!」


思わず呼び止めてしまった自分に驚いた

もはや自分の意思ではない


「なんだよ」


不機嫌そうに振り返る


「いや…何でもないです、うん」

「変なやつ」


先生は俺の顔を見てクスっと微笑み

今度こそ歩き始める



その、微笑みが

なんだか妙に懐かしくて



講義に遅れてしまう、と頭では分かっていても

俺の中の何かがあいつの後を追え、と叫んで止まないんだ





離れ離れになっても、いつか、どこかで


(あいつまであと3m)






fin.


__________________



展開が早すぎますね…w

時間があったら長編で書き直したい!(´・∀・`)



   

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