「おい、亮介に好かれたっつーのはどの女子だ?」


小湊先輩に悩まされ始めて3日程たったある日、突然私のクラスにそんなことを叫ぶ奴が現れた。

つか誰、亮介って。


「あれ?純さんじゃないっすか。それならこいつのことっすよ?」
「…怜?」

亮介とはどうやら小湊先輩のことだったらしい。いらん情報教えるなよ御幸めちくしょうなんて思っていたら想定外の聞き慣れた声が聞こえて、私は読んだフリをしていた本から顔を上げた。


「あり、やっぱり哲くんじゃん」
『は?』
「む、なんだお前だったのか」
「あー…そっかそっか、哲くん主将なんだっけ、たしか」
「あぁ」
「っ待て待て待て!」


2人でいつもみたいに和やかに話してたら、突然やたら叫ぶ人が間を割って入ってきやがりました。煩いし!声でか!!


「?どうした?純」
「どうした、じゃねぇよ!お前ら知り合いか!?」
「あぁ、『幼馴染みだ(です)』
「ヒャハ!んだそれ初耳だぞ!!」
「だって哲くんが野球部とか今思い出したし」


今まで空気だった倉持が話しかけてきたからキョトンと返してやると、御幸と倉持は諦め混じりに溜め息を吐いた。


「こいつまじ一ミリたりとも野球に興味持たねぇな」
「ああ。亮さんが不憫に思えてきたぜ」

「何、俺の話?」
「!で、出たっ!!」
「やだなぁ、そんな人のことをお化けか幽霊みたいに」


近いようなもんだろ!と言いたいところだけれど口をつぐむ。こんなこと言ったら後がどうなるかわかったもんじゃないしね。…あ、今想像したら鳥肌たった。
なんて人が頭をフル回転させていると、突然頭上から手が降ってきた。まぁ犯人はわかってるよ小湊先輩ですが!!私が席についてるからいい感じに後ろから手を組めて、まるで抱きついてるみたいになった。甘んじて受け入れてやるとする。

…なんて言うと思ったか


「取り敢えず、」
「そうですね」
「この子は俺のだから」
「どいてくれるんですねありがと…は!?」
「わかったらちょっかいかけちゃだめだよ?特に純」
「俺!?」



(ジャイアニズム、と言うより、お気に入りの玩具を取られそうになった子ども)









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