さて私は今広間でみんなとハンカチ落としをしています。そんな遊びあったよね?真ん中がドボンで周りを囲んでハンカチ落として…って遊び。
私今ドボンじゃんはやく誰か変わろうぜー


な、わけはなく!
あれだよね、集団リンチの構図だよね!!まじみなさん立って私を見下ろすのやめてくれませんか。私今絶賛正座中じゃん!!反省の色示してるじゃん!!でも今回に限っては私悪いことしてないんだよ!?
と、言いたいのはやまやまなんだけど、広間の隅で手拭い片手にさめざめと泣く千鶴ちゃんを見てたらそうも言ってられませんで…うん、でも千鶴ちゃん、なんでそんなに泣いてるかわからないんだごめん。


「…だ……おい、澪!!」
「はいごめんなさい副長ちゃんと聞いてます!!」
「どー考えても聞いていなかったように見えるけどなー?」


平ちゃんに言われてぐっと声に詰まる。うんごめん聞いてなかった。千鶴ちゃんが気になりすぎて聞いてなかったよ。


「あんまり僕らのこと無視してたら…こいつ、切り落としちゃうよ?」
「んー!!んんー!?」
「わぁぁ沖田さんやめてえぇぇぇぇ!!」


いつものにこにこ笑顔でチャキッと刀を秀吉の首筋に充てる沖田さんを今日ほど恐ろしいと思ったことはない。簀巻きにされた上に猿轡を噛まされている秀吉を助けたいのに、現状ではそれもままならないのが本当に残念だ。みんなはやく解放してくれ、秀吉を。


「一向に説明がなされねぇのはどういうことだ?澪!!」
「はははははいいいぃぃぃぃ!!せ、説明と言われましても私にもなにがなんだか!!って感じでして!!」


土方さんの一喝に背筋が伸びる。こえぇよ!上から睨まれてるし!!誰か助けてください私を!!


「まぁまぁトシ、そう責めてやるな。澪だってこんな風に囲まれては言い出せるものも出なくなってしまうだろう?」
「近藤さん…!!」
「でもよ、近藤さん…」


助け船に入ってくれた近藤さんが本当に神様に見えた。ありがとう近藤ゴッド…!
なおも食い下がろうとする土方さんを制してくれる貴重な存在を尊敬の眼差しで見つめていると、「というか、澪がわからないなら本人に聞けばいいんじゃないか?」その…秀吉とかいう子に…と俺の旦那左之さんが救いの声をあげてくれた。左之さん…あんた…天使やで…!!


「わ、わたしもその方がいいと思う!!」


だからはやく猿轡を外してあげてください。
土方さんもその方が手っ取り早いと考えたのか、ため息の後に沖田さんに猿轡を外すよう言ってくれた。


「…っぷは、」
「秀吉大丈夫だった!?舌とか怪我してない!?」


尋問の輪の中から飛び出して秀吉に駆け寄る。少し涙目になってることとぐるぐる巻きになってること以外はいつも通りの秀吉だ。よかった…と一人息を吐いていると私の直ぐ背後に誰かがしゃがみこんだ。誰か判別しようと振り返っ…らなかったらよかった!!は、般若のような千鶴ちゃんが、般若のようになって…!あれ私何言ってるんだろう文法ってなんだっけ!?


「で、結局貴女は誰なんですか!?というか、澪ちゃんとどういう関係なんですか!?」
「えっと…私はただの町娘で…澪さんには道案内を頼んだだけで…」
「嘘!!」
「本当のこと言わないと、その首切り落とすことになるよ?」


ドSコンビ(正確には般若みたいな千鶴ちゃんとドSの沖田さん)がずいずいと秀吉に迫って、脅迫めいたことを囁きかける。っていうか沖田さん本気だろお前…。あと千鶴ちゃん、いろいろおかしいよ…。


「み、澪!!助けてくれ!!わしにはこれ以上は無理じゃ…!!」
「わあぁぁん秀吉ごめん私も助けたいけどそんな妙案思い付かないんだよぉぉぉぉぉぉ!!」

「うおぉ!?何してんだ皆して!」
「…これは何事ですか、副長」
「そうだそうだ!!俺らも混ぜてくれよ!!」
「…俺はそういう意味ではない」

「し、新ぱっつぁんに一くん!!」


やったよ救世主!!見廻りに行ってた二人が帰ってきてくれたよ!!
新ぱっつぁんはともかく、冷静な一くんならこの惨状も止めてくれる…はず!!


「そこな女子を尋問すればよいのですか?」


あ、ダメだこりゃ







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