さてここで私たちの説明をしようと思う。まあまずはレディファーストってことで瑞希から。本名は姫路瑞希、学年2位の実績を持ちながらも一年最後のクラス振り分け試験で熱を出してしまい、途中退室扱いでテストは0点、Fクラスに来てしまった才女だ。家はお金持ちで均整のとれた体つき、その上庇護欲をそそるかわいらしい見た目を持つ私の女神!!でもその料理は最終兵器となりうる腕前を持つ天然少女だ。
次に島田美波。ドイツ帰りの帰国子女で、日本語が読めないせいで数学が得意なツンデレ美少女。すごーく綺麗な脚をもってるのに決定的にバストが足りない少し残念な女の子。
さてお次はムッツリーニ。そのあだ名の通りムッツリスケベなさっきから一言も話してない男の子。本名は、えーっと…ああそうだ、土屋康太。中学男子並みに保健体育が大の得意なお馬鹿さん。試召戦争ではよく裏方として働いてくれる有能な人材。
さっき別行動をとったのは霧島翔子ちゃんと坂本雄二。翔子ちゃんはまさに理想の大和撫子ってかんじの美少女。Aクラス代表で学年主席、麗しい見た目を持つきれいな黒髪の女の子なんだけど、ただ唯一の欠点として雄二に一途なんだよね。まあ本人はそれを欠点とは思ってないんだろうけど。
さてそんな理想的美少女の旦那さまに見事選ばれたのが坂本雄二っていうFクラス代表サマ。小学生のころは神童なんて呼ばれていたらしくて、今でも時々その片鱗を見せたりする。んで、この学校(あ、私たちが通ってる文月学園のことね)の制度はおかしいってFクラスのみんなを焚き付けてAクラスに攻め入らせた張本人。翔子ちゃんとは幼馴染みらしくてすごく仲がいい。うらやましいよね!
えーっと残ってるは明久だけかな?こいつの名前は吉井明久、Fクラス…ひいては文月学園二学年で筆頭のバカだ。ゲームの為に食費のほとんどを使っちゃって毎日塩水砂糖水の生活したり明らかに女の子が好意をよせてることに気づかなかったり、バカだと言う照明わ挙げたらそれこそキリがない。≪観察処分者≫って言う先生のパシリ。でも、やるときはやってくれるやつだ。

かく言う私も文月学園Fクラスで≪観察処分者≫なのである。テストめんどくさがってやらなかったらいつの間にかこんな底辺のクラスに落ちこぼれていた。まあ楽しいからいいんだけどね。





…で、何で私がこんな話をしてるかって言うと。


「……………ここ、どこ」


只今絶賛迷子中と言う事実から目を反らしたいからだった。あれ、私みんなと京都の町を歩き回ってたよね?新撰組ツアー決行して全屯所に行ってムッツリーニに借りた一眼レフで写真取りまくって油小路とかにも行って写真取りまくって舞妓さんガン見する明久とムッツリーニを(主に明久を)しばきに行った美波と瑞希を見て殴られてる2人(主に明久)を見て爆笑して島原あった所に行こうって言ったら男子2人が大きく頷いてくれて島原大門くぐって、それから…?
そうだ、そしたら気づくとここにいたんだった。回りを見回しても昔風の日本家屋が山際に沈んでく夕焼け色に染められてるだけで通りに人はいないし、ってことはもちろんみんなも見当たらない。仕方なく私は歩き出した。


「瑞希ー、美波ー、翔子ちゃーん、明久ー、ムッツリーニー、雄二ー」


何度そう呼び掛けたって望みの声は聞こえてこない。いつの間にか見えてきた川の、対岸との間に架かった橋の中腹で止まって欄干に腰かける。太陽はとっくに山の向こうへ消え去って空にかすかな残光を輝かせるのみだ。


「…迷った人は動かない方がいいとか迷子になってるって気づかない人は方向音痴だってよく聞くけど…………うん、みんなを探そう」


後者を言った意味はあったのか、そんなことを考えながらついさっき通った道を逆走(歩?)してみる。正直辺りは真っ暗で、頼みの綱は空に光る太陽の残り香(明かり?)だけ。しかもそれも今命の灯火が消えかかってるみたいにかすかだ。次に頼りになる月明かりはやっと山の端に見えてきたところで、頼りないことこの上なくて、パンツから携帯を取り出して足元を照らしてみる。うん、これなら不安にならないかな!!


「まいごのまいごのわーたーしー♪みんなの居場所はどこですかっ♪」


某犬のポリ公さんを歌いながら勇気を奮い立たせて夜道を歩く。ってか今気づいたけど何で街灯ないんだろ?あ、京都だからか!!雅だね!

…じゃあみんなを早く探さなくちゃ!








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