あれから数時間。辺りを徘徊しまくってる間に月が高くなってきたから携帯をしまってぶらぶら歩いていた。おー月がきれいな夜だなあ!京都って星まで見えるんだーへー。当初の目的もほぼ忘れて散索していると、突然何かの呻き(ってか絶叫?なんかとりま叫んでた)が聞こえて足を止め、首を捻った。


「?酔っぱらいでもいるのかな?」


とりあえず勘で声の元まで歩いて向かう。みんなが絡まれてたら一大事だしね!ここらへんかな?って角を曲がった瞬間キラリと何かが目を刺激して一瞬チカチカなった。何事か私の脳みそが事態を処理してる間にうわぁぁと野太い悲鳴とザクッと言う鈍い音が聞こえてもうわけがわからん。は?


「なになに、何が起きてんの?」


何かが月明かりに反射したせいで網膜を焼かれた目が虹彩の働きで何とか現状が見えるようになってきたところで一歩足を踏み出す。ザリッと足元で音が鳴るのも構わず歩を進めていると、鉄の臭いが漂ってきた。視線をさ迷わせて先ほどの声のもとを探すとそこには、地面に飛び散った赤(これ何だ)と、長い鋭そうな棒を持った水色い服を着た男の人たちがいた。


「ひゃはははははははは!!」


甲高い哄笑が耳で、頭の中で木霊する。男の人は赤に向かって何度も何度もその棒を叩き落として、そのたびに赤は広がっていく。ってかあれ何?地面にペインティングでもしてんのかな?眼鏡旅行鞄の奥に突っ込んじゃって取るの面倒なんだよねー。…でもあれ、さっきの笑いかたおかしくなかった?うっわまさかのヤク中ですか!?京都にもいるんだ!!へえ、意外!!


「でもなんかヤバそうだよねー、やっぱ逃げたほうが…ん?」


その時男の人たちより私寄りの家と家の間に淡い桃色の布地が揺れているのが見えた。棒が地面へ繰り返し突かれる度にビクッて震えてる、ってことは…人だ!!しかもなんかこれは…!!


「美少女の…!香り…!!」


やばいこれktkr!?しかも我が嫁秀吉と同じ位の美人さんと…みた…!!私が一人でテンションを上げているとカタンとかすかな軽い音がして、その女の子(まだ確定してない)の体が遠目にも震え始めているのがわかる。これは…!!


 ヒーロー
「英雄の出番だね!フッ…人気者はつらいぜ…!!」


ヤク中なんかに美少女(不確定)は渡さない!重い荷物をその場に捨てて、私は白いバングルを装着しながら女の子(まだわからない)と男の人たちの間に割って入った。


 アウェイクン
「起動!!!」


叫ぶと同時にバーチャルに色づいた立方体が広がり、私や女の子(あってるのか?)、男の人たちを包み込む。ついでとばかりに召喚獣も呼び出しておいた。


 サ モ ン
「試獣召喚!」


現れた文字を見てほくそ笑む。


『 UNKNOWN UNKNOWN vs Fクラス 文川澪
 総合科目 NONE  vs 8652点    』


よしきた総合科目!!そしてここで…―――

     ナイト
「あなたの騎士がお守りいたしましょう、お嬢さん」




キマった、これ私キマった!!








| ≫
3/14

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -