■ 花菖蒲2

目を覚ませば日は高く登っていて、時間帯はちょうどお昼頃。一番眠たい時間だけれど、体を起こし身支度をして街へと向かう。

兄様を起こさないよう静かに家を出た。眠たい目をこすりながら、商店街へ向かおうと通ったのは広場。
賑やかに子供達の声が溢れる一角で、色とりどりの花をカートに載せた男の人の姿が。
花を売っているのだろうかと、巡りの鈍い頭で考えた。鼻先をかすめる煙草の匂いを感じながら、見れば分かるだろうに、お花売ってるんですよね?なんて声をかけた。

お兄さんはあたしの言葉を聞いて、ぱっと此方を向いた瞳にぼんやり視線を返した。ひたすらに眠い。お兄さんには悪いけれど、あたしにとってお昼は眠っている時間なのだから仕方ないといいたい。
カートを確認するお兄さんから、どんな花が良いかと問われた。
少し、花瓶と酒場を思い浮かべた。飾るなら、なるべく東の国に在るようなものがいい。その例えで蘭みたいな花があればそれがいい、と告げる。
お嬢ちゃん、好きな色はあるかい?次の、問いかけ。
好きな、色。黄色?青もきれい、とっさに思い出したのは兄や姉の好む色だった。

少しして、お兄さんが取り出したのは花菖蒲。
花言葉は“嬉しい知らせ”

まじまじとその花を見て、本当にきれいだと思った。いつもの安っぽい花とは違う瑞々しさもそうだけれど、それだけじゃなくて。
そう。きれい、なのだ。あるいは、それは花やお兄さんが纏う空気なのかもしれない。
あたしには、よく分からないけど、緩む頬を押さえきれずに頷いて購入を決定した。
値段を尋ねながら財布を用意する。これだけきれいなら、いくら出しても惜しくないと思った。

だけど、お兄さんから告げられた値段は、きっと相場より安い金額で。
尋ねて、返ってきた理由は枯れるより人の手に渡って輝く方がいいから。…ああ、やっぱり。お兄さんが、きれい、だったんだ。だから、きっと花もきれい。

きれいな花を抱えて、幸せな気持ちで自宅へと帰る。
お兄さんの名前を聞き忘れたことに気がついたのは、花瓶に花を活けた頃だった。






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アトガキ…?
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え、先ずは。ごめんなさい(土下座)
テスト期間とかもろもろで、こんなに遅くなりまして……
結果、うろ覚え←←
しかも、文章が支離滅裂という…!
お相手いただいた素敵お兄さんこと、アドルフォPL様にこんな僻地ですがお詫びを…(汗)
み、見ていただけているかは、わかりませんが…



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