■ 約束とチョコレート
傘と、約束。
チョコレート。
雪が振るその日、あたしはまたお休みを貰った。おじ様に借りた傘を返しに教会の丘を登って行く。
さくさくと雪を踏みしめ、丘を登りきった所におじ様が居て。少し驚いたけれど、笑顔に安心した。
傘を返すだけのつもりだったけれど、おじ様に誘われて、そのまま協会の中で少し雑談。
暖かいチョコレートドリンクがすごく美味しかった。
話は少しずつ、あたしの兄様や家族の話に。
バレンタインは、いつものように兄様に手作りするの。そう話して、傘のお礼も兼ねおじ様にもお裾分けする事に。今年もがんばらないと、ね。
やきもちが大変そうです、と笑うおじ様。残念。そんな事ないわ、兄様のお店の常連のお客様にも毎年配っているから。
それに、兄様への贈り物だけは特別だもの。
甘い物が苦手な兄様へのお菓子は少しだけ苦く作ってあるし、他と材料が違うそれは、包装も少し特別にしてあるもの。
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