■ 太陽と月
昔々、まだ地球が生まれたての赤ん坊のころ。
その周りに名前のない二つの星がありました。少し大きい星と少し小さい星とは、とても仲の良い星でした。
ある時、地球の人々が神様に光が欲しいと言いました。
その時の地球は一日中薄暗い闇に包まれていたのです。
神様は少し大きい星に"太陽"と名前をつけて明々と地球を照らす星にしました。
しばらくすると人々は神様に暗闇が怖いと言いました。
明るい太陽が生まれたため、薄暗い闇が黒々とした闇になってしまったのです。
神様は少し小さい星に"月"と名前をつけて黒々とした闇から人々を見守る星にしました。
月の光が生まれ、人々は闇を恐れることはなくなりました。
けれど隣同士に二つの星が並んでいると、それぞれの光が役に立たなくなりました。
太陽の強い光が、月の光を消してしまったのです。
そこで神様は、太陽と月とを離れ離れにしてしまわれました。
すると二つの星は、寂しくてたまらなくなりお互いがお互いを探して地球の周りを周り始めたのです。
だから、今。
地球の周りでは太陽と月が周り、昼と夜が出来たのです。
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