36






「近藤さん頼むから休んでくれ、あんたまで壊れちゃ新選組は終わっちまう。」


「歳……なまえはあれからずっと夜になれば叫び、昼には泣いての繰り返しだ……俺はなんと無力だろうか。嘆く弟に何もしてやれないっ!」



「…………。」


廻谷心が死んだあとなまえは壊れてしまった。何度も殺してくれと叫び、泣き、ついには自分の手で命を絶とうとしては止められを繰り返した。
なまえを拘束し、部屋に閉じ込めたのはいいがあれから三日何も口にしていない。
もともと痩せていた体も更に痩せていく一方だ。
そんななまえに心を痛めている近藤さんも同様に顔は窶れ、今にも倒れそうな状態。


廻谷心を殺したのは表沙汰新選組に敵意を抱く倒幕派の人間としているが本当にあれを殺したのは新選組の人間、よもや隊長格である者らが行ったことだ。
なまえに思いを寄せた奴らが作を練り、あたかも外部の人間がやったように見せかけた。
隊長格の人間が口を揃えて言えば誰もが信じる。


なまえが崩れるのははじめから分かっていたが、いずれはあの女のことを忘れまたあの頃のなまえが戻ってくると信じていたからこそやり遂げられたことだ。






壊れたお前も綺麗だと思った



歪んだこの情でよければいくらでも注いでやれる



prev/next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -