01-05

01

最近彼女ができた。可愛いな、と前から気になっていた相手からの告白だったので、正直かなり驚いたが、断る理由もなく二つ返事で了承した。
実際に付き合ってみるとわらしは本当に可愛くて、仕草一つから表情に至る全てが俺好みだった。女神か。
草薙さんにも「わらしちゃんって、遊作のストライクゾーンにドンピシャなんだよなぁ」と言われ、まさしく運命の相手だと思ったんだ。当初は…。



「ねぇ遊作、気持ちいい?」
「っ、あぁ…」
「ふふ、良かった。これからもっと良くしてあげるからね」
「…わらし、そろそろ中に挿れたいんだが、」
「だぁーめ。今日は私が遊作を好きに味わうの」

そう言ってわらしは再び俺の息子を頬張り、嬉しそうに扱き始める。さっきからずっとこの状態だ。既に二回出してもわらしは口淫を止めようとせず、零れた汁を丁寧に舐めとる。当然、俺が出したものも全て飲み干していた。

「…ぁ、わらし……中に……、」
「んん、だからだめだって。遊作のこれ、ちゅ……おいひいの…もっとちょうらい」
「っ……、」

亀頭を舌でグリグリと刺激され、堪らず腰が揺れる。俺のそんな反応を楽しむかのように、わらしはますます気を良くして舐める。
わらしを抱きたいのが本音だが、ここで無理矢理攻めると後でそれ以上に反撃されるので−−恐らく俺がもう無理だと言っても口淫され続けることになるだろう−−わらしが満足するまで大人しくするしかない。結局、可愛いのはベッドの外だけだった。
なんだこの変態。こんなわらし、俺は知らない。

「ちゅ、っふ……んん、ぁ……ん……んんぅ…」

喉の奥まで無理矢理突っ込んだかと思えば、竿から口を離し横にある袋をしゃぶり。あの手この手で俺を感じさせようとする。気持ちは嬉しいが、物には限度っていうものがあるだろう。
せめてわらしの服を脱がせようと手を伸ばしたら、即座に叩き落とされた。強烈なはたき落とし…。

「っん、ゆうさくー? いい子だから大人しくしてて、ね?」

俺の息子を握りしめながら上目遣いでそう言われてしまったら、もはや何も言えない。俺は白旗を振った。




02

わらしが突然俺の前で土下座したので何事かと思ったら。

「遊作の唾液をください」

いつもの可愛いわらしじゃなくて、変態の方のわらしだった。

「………断る」
「なんで? 可愛い彼女が土下座までしてお願いしてるのに?」
「変態なわらしは可愛い彼女じゃない」
「どんな私だって遊作の可愛い彼女には違いないじゃない」
「絶対違う」

俺が女神だと思ったわらしは唾液が欲しいとか言わない。絶対に。
断固として要求を拒否する俺に、諦めたのか別のお願いをしてきた。

「じゃぁちゅーして。それなら良いでしょ?」
「………」
「まさかキスもしてくれないの? 可愛い彼女がちゅーしてって言ってるのに…」

俺が返答を渋っていると、途端にわらしは悲しそうな顔をする。そんな顔をさせたい訳じゃないのに。クソッ。
魂胆が見え見えなのがわかっていながら、俺は結局わらしの要望に応えてキスをした。軽いキスで終わらせようと思ったのに、案の定わらしはもっととせがみ、何度もすることになった。
ネクタイを握られてしまったら逃げようがない…。

「ん、んん……ゆうさくぅ、っはぁ…」
「…わらし、もういいだろ」
「やだ、もっとぉ……ちゅー……」
「っ…」

ライトキスがディープキスに移り変わって。わらしの舌が自然と俺の口内に侵入し――普通逆じゃないか?――好き勝手に蹂躙し始める。その頃には互いの唾液が混じりあって、どちらのものかは判別できない。

「ん、遊作の唾液…おいし、…っふ…」

俺の舌を吸い込みながら喉を鳴らし、わらしは満足そうに呟いた。
やっぱりこいつは俺の可愛い彼女じゃない。変態な彼女だ。




03

最近、周囲から「痩せた?」と聞かれる。そんな自覚はなかったが、試しに体重計に乗ってみたら4kgほど落ちていた。特に減量してる訳でもないのだが…。

「遊作、聞いて聞いて! 私友達から『最近痩せたんじゃない?』って言われたの! で、体重はかってみたらホントに痩せてたー! もうほんっと嬉しい!」
「……。奇遇だな。俺も同じことを言われて、実際痩せてた」
「ホントに? でも遊作、元々細いんだからこれ以上痩せる必要ないと思うよ? 特に腰とか腰とかさ」
「腰を連呼するのはやめろ。…痩せる必要がないのは、わらしにも言えることだろ」
「あ、そう思ってくれる? 嬉しいな」

わらしはニコニコと笑っている。かなり嬉しいらしい。
いつもこうして可愛い彼女でいてくれたら嬉しいが、時折不意打ちで変態な彼女が顔を出すので気が抜けない。さっきの腰発言はモロに変態な彼女だ。

「週末だし、今日は遊作の家に泊まってくね。いいでしょ?」
「あぁ」

そこで了承した俺が間違っていた。
結論から言うと、気分の良いわらしは昼も夜も俺のことをベッドから離さず、丸二日束縛した。何度求められたかわからない。俺がもう無理だと言っても、わらしの強烈な口淫と騎乗位による完全受け身体制の元、無理矢理射精させられた。それでもわらしはまだしたいと言ってくる。

「ねぇ遊作、もう1回…しよ?」
「勘弁してくれ。赤玉が出そうだ…」
「お願い。遊作が欲しいの」

いくら甘える仕草を見せられたところで、勃たないものは勃たない。が、もちろんそんなことも変態なわらしには承知済みで、気付いた時には再び征服されていた。

「体重がまた落ちている…」

週明け、体重計に乗った俺はその原因をやっと突き止めた。
あの変態を何とかしないと、確実にまずいことになりそうだ。




04

昼間、ソファでうたた寝していた時のことだ。
わらしが近付いてくる気配がして、微睡みの中にあった意識が現実世界に戻ってくる。まだ眠いので、もう一度寝てしまおうかと思った矢先、唇に触れる感触があった。

「ふふっ…」
「………」

寝ている俺に、わらしがキスをしたようだ。目覚めのキスか? 何て可愛らしい真似を。
ここで起きるのは勿体ない気がしたので、寝たふりを決め込む。後でそれとなく「さっきキスしただろ」と言って困らせたい。「起きてたの?」と恥じらうわらしにもう一度キスをせがむのも楽しみ、だ、と…。

「ちゅっ」
「………」
「ちゅー」
「…………」
「ちゅっちゅっ」
「……………」

…目覚めのキスは一度だけじゃないのか?
俺が寝ているのを良いことに、わらしは何度もキスをしてきた。これはもう、絶対に起こす気満々のキスだろ。何度すれば気が済むんだ。って思ってるそばからまた…。

「ちゅっ」
「………」
「ちゅちゅっ…」
「…………」
「ちゅ、」
「…そのへんにしておけ」
「ファッ!?」

いくらしても止まらないわらしに困って、俺は目を閉じたまま呟いた。眉間にシワが寄ってるだろうが仕方がない。止めないと、変態なわらしは延々とキスし続けるだろう…。

「……遊作、起きてたの。ずるい」

あれで起きない方が不思議だと思うが。わらしは何やら理不尽なことを呟き、ようやくその場を離れて行った。が、去り際に思いっきり唇を舐められた。

「!」

変態は転んでもただでは起きないらしい…。




05

いつも何回も要求されるので、避妊具の数には気を付けていたはずだったが、今日ついに足りなくなってしまった。生挿入は責任が取れないので断ったが、一番盛り上がったところで止められたわらしの不満は凄まじく、今すぐ挿れるか別れるか選べと言われ、俺はついにノースキンでわらしの中に入った。
生挿入は気持ち良いと聞いてはいたが、想像以上に気持ち良くてすぐにイキそうになる。危険だ…。

「遊作、いつもよりあったかいね…」
「直接繋がってるからな…、」
「ん、遊作気持ちいい?」
「あぁ…」
「ふふ、なんかつらそう」
「っ、頼むから締めないでくれ…」

俺が堪えているのを知りながら、わらしが中を締め付けてくる。このままでは何もしないままイッてしまうことになりかねないので、すぐに腰を動かし始めた。粘膜が直接擦り合って気持ちいい。

「あっ、あっ、あん……あっ、あぁ…、!」
「、っ、は……」

案の定いつもより大分早く達しそうになり、わらしの奥を容赦なく叩きつける。激しい律動に、わらしも簡単に登り詰めそうな様子だった。

「っく、もうイク……、」
「あっ、中に、中にちょうだい…っ!」
「駄目だ、外に出す…」
「やだ、やだやだぁ…っ!」

その瞬間。わらしの足が俺の腰にガッチリと絡み付き、引き抜くことができなくなった。

「! わらし、足が…!」
「っあぁぁぁぁ…っ!」
「っ―――!」

俺が言うよりも早く、わらしは全身を震わせて絶頂を迎えた。足がより強く締め付ける。同時に訪れた中の収縮に堪えきれず、俺もそのまま達してしまう。
ビクンビクンと震える体の最奥に、精を注ぎ込む。今までに感じたことのない快感だった。

「ふぁ、ぁ……遊作…中に、あったかいのが広がってるよ…」
「っ、馬鹿…」

何でそんな呑気でいられるんだ。
ようやく体の力が抜けたわらしから離れ、結合していた場所を確認すれば、途端に白濁した液体が零れ落ちた。やってしまった…。

「…わらし、病院行こう」
「ふぇ? あ…そうだね」

正気を取り戻したわらしを連れて近くの婦人科に連れて行った。わらしだけが診察室に入ったかと思いきや、しばらくして俺も呼ばれた。そこで医師に避妊の重要さを改めて説明される。時折、そばにいた老齢の看護師に怒られたりもして…。
自分がしたこととはいえ、何だか腑に落ちないところがあった。

「ごめんね、付き合わせちゃって」
「…俺がしたことだからな。それより、ちゃんと薬飲めよ。気分が悪くなったら言ってくれ」
「うん、ありがと」

そう言って頷くわらしはいつも通り可愛い俺の彼女なんだが。
あの時どうして足を離さなかったのか聞いたら、「いつも中に出してるのに、外に出すって言われたから焦って…。」と謎理論を持ち出された。
いつもはゴムをしているからなんだが…。

「…もう絶対ゴム無しではしない」

だから別れるとか無茶な要求をしないでくれ、と頼み込んだ。

2018.8.5脱稿

>>06-10

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