「そういえば届いたよ。ありがとう……でも、これは何なんだい?」

何が届いたのかというと、諒子がお返しとして送った品が、である。
諒子がホグワーツに復帰して数日後のことだ。
ちなみに直接渡すのがさまざまな意味で“面倒”であったため、諒子はお返しの品を送りつけていた。

ルーピン教授は、さっそくそれを手にして諒子のところへやってきたわけである。


「……藁人形モドキです」

「ワラニンギョウ擬き……?なんだい、それは?」


名称を聞いても、彼にはそれが何であるのか判断できなかったらしい。


「藁人形というのは呪具の一種です。呪いをかけるときに使うのがほとんどですがお祓いやら副葬品やらに使われたこともあったようです」

諒子の言葉に、え、のろい……?、とルーピン教授はショックを受けた。


「ですがそれはモドキですので用法は違います。“身代わり”もしくは“お守り”と言った方が適切かもしれません」

きちんと呪いには使えないようにしてあるし、身代わり人形としてしか使えない。
そして、“身代わり”とは危険が迫った時などに代わりに被害を負ってくれるものだ、そう説明すれば彼は安心した。

「うん。なんだかうれしいよ……でも、一ついいかい?どうして、この不気味なフォルムにする必要があったんだい?」


彼の質問に諒子は、かわいいからです、と答えた。



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