手持ち無沙汰に谷をぶらぶら散歩していたら、川で釣りをしているスナフキンを見つけた。
特にすることもなかったので、横に座るとスナフキンは少しだけこちらをちらりと見てやあと挨拶をくれた。こんにちは、そう返すとそれ以上の言葉はなかった。ちなみにバケツを覗き込むと魚は0匹。頑張れスナフキン。
そしてスナフキンの横に座っては見たものの、特に話すこともなかったので川岸に咲いている花を摘んだ。赤、青、黄色。どれも綺麗。あ、そうだ。ある程度摘むと立ち上がってスナフキンの背後にまわった。

「レディ?」
「釣りしてていいよ」

不思議そうな声をあげたスナフキンをよそに、わたしは鼻歌を歌いながら摘んだ花を彼の山高帽にあしらい始めた。ふふふ、かわいい。羽飾りだけじゃ寂しいと前から思っていたのだ。スナフキンは寛大にも抵抗せず好きにさせてくれた。
それから花をかざり終えるとしばらく側に座ってぼんやりと彼を眺める。うん、満足。

「それじゃ、釣りがんばってね」
「うん、ありがとう」

ぱんぱんとおしりについた土を払いながら立ち上がるとスナフキンはこちらを見てそう言って微笑んだ。少しどきりとする。かっこいい。
いつもと違うスナフキンの姿を見れたことにすっかり上機嫌に帰路に着くのだった。

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