22.memories
side ルキア
(久しぶり…、お母さん…。元気だった?って死んだのに元気もないか。こっちは元気。あたしも遊子も、一兄も。みんな元気でやってるよ。ただ…。…ぶっちゃけヒゲは元気すぎてちょっとウザイです…)
「さあさあさあ、今年も恒例の【ドキっ!黒崎家だらけの墓石ドミノ大会】の時間がやってきましたよ!!みっちり2時間30分墓石倒しまくりでポロりもあり!!のこのゲーム、勝った奴は負けた奴を1週間犬にできるって寸法よ!!まずは1回戦、父さん対一護!!」
「やめて、お父さんやめて!!」
墓場で騒ぐ一護の家族を見下ろす。
「…俺なんだ…!!」
「母を殺した…か」
『ここにいた、なーにしてるの?ルキア』
「……愛桜か。虚はどうした」
『来たの片っ端から倒したよ。そんで、こっちで感じたけど勘違いだったみたい』
愛桜が隣に降りてきて座る。
『それで?誰が母親を殺したって?』
「一護が言ったのだ」
『……え?』
「だが、あやつが 母親を手にかけるとも思えん…。恐らくは過失か…、…事故だろう」
『……ふーん』
私は一護に言ったことを思い出す。
「可能性はあるのだ!」
何を思って可能性はあると考えた。
「その貴様を狙って来た虚が…、誤って母親を…」
「……莫迦者だな…、…私は……」
『……ルキア……』
すると背中に背負ってた荷物から、
コンが顔を出す。
「ルキアネエさーん…」
「なんだ、コン。呼ぶまで出てくるなと言ったはずだ」
「だーって、って。あン時の嬢ちゃんじゃねぇか!」
『え?もしかして、あの時の改造魂魄くん?……ぬいぐるみに入れたんだ』
「コンってんだ!よろしくな!」
『そう。よろしくね、コン』
いつの間にか自己紹介をお互いにしている。
「それにしてもネエさん。もう帰らねぇっスか?なんか今回そっとしておいてほしいみたいだし」
「言ったろう。こうして奴の傍におらねば虚が出た時対処が遅れる。これも仕事のうちなのだ」
「やっぱダメかー。いつでもどこでも、虚虚虚虚…。ネエさん、そんな仕事ばっか考えてると、友達減りますよー?」
友達が減る。
その言葉は、私には身に覚えがありすぎる言葉だった。
「どうしたんスか?」
「…いや…」
確かに。
「…まったくだ……」
お前の言ってることはあっているぞ、コン。
私は、いつも………。
『…………』
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