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「かー!やっぱ美味いってばよ!」
それから四日が経って、任務帰りにナルトと一緒に家でご飯を食べていた。
「ユウナの姉ちゃんのご飯食べたいってばよ!」と飛びついてきたそんなナルトにまだまだ子供だな、なんて思いながらもやっぱりどこか逞しく思うわけで。
「そんなに急いで食べなくてもまだあるから」
「ユウナの姉ちゃんのご飯が美味すぎるのが悪いってばよ!」
ご飯を口いっぱいに頬張って幸せそうな顔をするナルト。
ここで一緒にご飯を食べるのも今日で最後だね。
「ナルト」
「んー?」
「ちゃんと野菜も食べるんだよ」
「…俺ってば野菜嫌いだもん」
「好き嫌いしてたら一人前になれないよ。これからはラーメンばっかりじゃなくて野菜もしっかり食べなさい。栄養管理も忍の仕事のひとつだよ」
「…わかったってばよ」
そう言いながらぶすっと膨れるナルトが可愛い。
「ね、ナルト」
「ん?」
「あんたは立派な火影になるんだよ」
「??どうしたんだ?急に」
頬にご飯粒をつけて不思議そうな顔をするナルト。
そりゃそう思うよね。でも、会えなくなる前に伝えておきたいんだ。
「ナルトなら必ずみんなに認められる立派な火影になれる。私、応援してるからさ」
「うん」
「これから先辛いこととか悲しいこととかいっぱいあると思う。だけどナルト、あんたなら必ず乗り越えられる。大切だと思える仲間がたくさんできたでしょ?」
「…うん」
「その大切な人たちを守れるだけ強くなって。それが私からのお願い。いろんなことを経験して人は強くなってくの。泣いてもいい、辛いって叫んでも誰かを頼ってもいい。でも最後にはちゃんと前向いて、みんなの前を歩いて行くような忍になってね」
「おう!」
にかっ、と笑うナルトに明るい未来を感じた。
これで私がいなくても大丈夫。
あんたはもう、独りじゃないから。
この想いが伝わるように