今日も課題、明日も課題。
そして差し迫るようにやってくる発表…。
学生をしてれば仕方ないことだ。みんなが通る道だしみんながぶつかる壁でもある。
だけど、


「…つらすぎる」


終わりの見えない地獄が嫌になって、おでこを思い切り机にぶつけた。
内容ももちろんしんどいけど、それ以上にうまく時間を計算してできない自分が何より情けない。


「なにがつらいんぞ?」
「…要領悪い自分です」


隣にいる柱間さんに顔を上げてそう言えば、きょとんとした後ガハハと豪快に笑って私の頭をガシガシ撫でる。


「うえっ、ちょ、」
「チハルはチハルのままでいいぞ」
「!」
「世間には勉学よりも大切なことで溢れている。学生のうちは気づけんかもしれんが、チハルもいずれわかることぞ」
「…」
「俺もずっと要領が悪いと未だに扉間にどやされているからな」
「…」
「なに、焦ることはない。チハルのペースで進めていけば良いのだ。そうだろう?」
「…はい」
「笑え、チハル」
「!」


柱間さんに髪をぐしゃぐしゃにされたまま、今度は両頬を掴まれて顔を上げられる。
真正面に向き合う柱間さんの顔は、いつになく男らしくて顔が熱くなった。


「俺は、どんなチハルでも大好きぞ」
「…っ」
「たとえ要領が悪くとも頭が悪くとも、料理が下手でも掃除が下手でも」
「……」
「俺は、チハルがチハルなら、それで良いぞ」
「…柱間さん」
「だから、あと少し、頑張れるか?」
「……はいっ!」


「良い返事ぞ」
そう行ってやっぱり優しく抱きしめてくれる柱間さんからほんのりと香る木の匂いを肺いっぱいに吸い込んで、もう少しだけ、頑張ってみようと思った。




\がんばれ!カメ子!/
fin.



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