マルベリーロマンスの場合
「夢?まだ見てないよ。峯は見たの?」
「あぁ。新年からいい夢だった。」
「どんな夢?」
「内緒。」
「えっ…。」
峯曰く、いい夢だと話さない方がいいとのこと。一体どんな夢を見たのだろうか。少し気になるが、これ以上聞いても教えてもらえないのはわかっているので諦める。
「私も今日は良い夢見れるかな。」
「あぁ、絶対見られる。」
「なんで?」
聞き返すが返信はない。気づくと電話は切れている。電波が悪いところだったのかな。かけなおそうと悩んでいると、背後に気配が。
「峯…。」
年始はあまり休みがないので、会えないねと言っていたのに…。わざわざ来てくれたのだろうか。
「これで夏は良い初夢見れるだろ。」
「うん…。」
初夢よりも嬉しいサプライズが新年早々舞い降りた。
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