拍手SS | ナノ

  真島吾朗編


「真島さん!」

「何や?」

「これ、やってくれませんか?」

私が持ってきたのは漫画のあるシーン。身長の高い男性が彼女の頭にポンポンとしているシーン。女の子なら一度は憧れるシーン。いつか自分にも恋人ができたらやってほしいと思っていたことのひとつ。

「なんや、椿はヨシヨシして欲しいんか?」

「そうです!してくれませんか?」

頭を真島さんに向けるとしゃあないのぅ…と言いながら頭をポンポンと撫でられる。あぁ、なんて心地よい感覚なのだろう。しばらくその余韻に浸っていると真島さんはヒヒヒと笑みを。

「どうしたんですか?」

「俺もしてくれへんのか?」

「真島さんにするなら屈んでもらわないとできないですよ。」

身長差が割とある方なので真島さんの頭にジャンプしてもおそらく手は届かないだろう。するとちゃうちゃうと真島さんは手を振っている。

「椿、大人のヨシヨシしてくれや。」

「大人のヨシヨシ…。」

そういって真島さんは私を抱えてベッドに降ろす。あぁ、まずい。この顔は情事の時の顔。ちょっと待ってくださいという声はキスで封じられ後はされるがまま。その日以降私はヨシヨシを真島さんに頼むことはしなかった。時々揶揄うようにまた大人のヨシヨシしてくれやと言ってきたが、私はあの日のことを思い出して黙ったまま頬を紅く染めるだけだった。その姿を見て真島さんはまた悪い笑みを浮かべるのであった。


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