変態ちゃんと東さん編
「東さん!いますかぁ!!」
「馬鹿!そんな大きな声出さなくても…。」
「東さん、どうしたんですか?」
「おい、お前の今日の恰好はなんだ?」
とうとう暑さでイカれてしまったのか。いや、こいつはもともと変態だ。変態だからもうイカれることはないだろう。はぁ…とため息を吐いて、嬉しそうな目の前の変態を前にする。家からこの格好で出てきたのか。水着姿の変態が目の前にいる。そしてまた漏れるため息。本当に黙っていたら抜群のスタイルでとても似合っている水着で顔も良し。気を抜くとうっかり心を奪われてしまいそうになる。しかし、こいつは変態。自分の脳内にすり込ませていく。そうでもしないと変態の世界に自分も一飛びだ。
「今日は神室町で水着で過ごそうっていうイベントなんですよ。」
「なんだ、そのいかれたイベントは。」
「イカれてないですよ。エコですよ、エ・コ!」
「なんだよそれは。」
「暑いからと言ってエアコンを使うんじゃなくて着ているもので涼しくしようってことですよ!」
「それってクールビズって言うんじゃねぇのか?」
「そうとも言います!」
はぁ…とまた深いため息が漏れる。そんなことに構うことなく変態は嬉しそうに俺の前で小躍りしている。頭が痛くなってきた。暑さのせいで自分の脳が溶けてきているのかそれとも変態のせいで脳がやられているのか。
「東さーん!!」
「おい!やめろ!」
突然抱き着いてくる変態。焦る俺。いつも通りの日常だが、いつもよりも刺激的で暑い気持ちになれたのは気候のせいだと思いたい。そんなとある日の夏の出来事。
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