災難ブラザー
GHSと財布のポケットに入れて列車に乗ろうとしていたら、ピンク色のカーディガンを着た少女が列車に向かって走ってくる。そして、双子の弟であるルドガーが駅員に押さえられていた。
「…ルドガー、なにしてるんだろ」
心滅ジョルジュ
(災難ブラザー)
少女がルドガーに手を振っていた。あんな小さい子に知り合いなんていたのか…ロリコ…いや、ルドガーは違うよね、うん。自己完結して、そろそろ発車するだろう列車に乗り込んだ。
窓から、ルドガーが駅員に抵抗しているのが見えたが…大丈夫だろう。
(さて、仕事仕事)
「ん?」
目を離していたら、構内は煙りが立ち込めていて、火事ではないだろうが何かある、と悟りルリはルドガーに選んでもらったナックルをはめて、仕事に就こうとしていた。
突然列車に乗り込んできた武装した男女に、ルリは身の危険を感じて列車内の安全な場所に隠れていた。先ほどの少女を気にしながら…そして、きっと駅員から逃げて乗り込んでくるであろう双子の弟を心配しながら。
ルドガーが列車に乗り込んむと、車両にいた乗客が倒れていた。きっと、息のある者は殆どいないだろう。自分の片割れは…大事な姉は、無事だろうか。戦えるといっても、姉は女であり、あまり戦ってほしくない。ルドガーは、ルリの安否を気にしながら、先ほど自分をはめた少女が倒れているのに気付いた。まぁ、それは飼い猫であるルルの鳴き声で気付けたのだが。
「、ルルの鳴き声?」
すぐ側に身を隠していたルリは、ルルの鳴き声が聞こえて隠れていた場所から静かに出た。
ダダダダダダ、と銃の音が聞こえて、さらにはルドガーの声と少女の声が聞こえて、ぎゅ、ぎゅとナックルのはめ心地を確かめた後、ルドガーのいる車両に飛び込んだ。
「、ぐはっ…」
「終わりだ!」
女(?)に腹を蹴られて銃を向けられたルドガーは、蹴られた場所を押さえて顔を歪める。音を立てずに女の背後から近付くルリに気付いたルドガー。そしてルドガーに剣を渡す少女。
撃たれた弾を剣で弾き返し、ルドガーは女に向かって走り出した。
「ルリ、いけるか!」
「もちろん!」
「な、仲間がいたか…!」
「「はぁぁぁあああ!」」
女を倒すと、少女が「怖い人、もういない?」と顔を出した。不思議な子だ。気のせいじゃない、この子を見たことがある。この世界じゃない、過去にいた世界で。
キーキャラクター…エル、だ。忘れていたと思っていたが、この子の顔を見て思い出した。
「もういないよ、怪我はない?」
「平気だし…ぜんぜん」
少女はつん、として答えた。あはは、この年って一番難しいよなぁ…と苦笑していると、少女が小さく悲鳴を上げて座席の陰に隠れた。
「…あれ?」
振り向くと、白衣を着た男が先ほどの女と同じような服を着た奴を倒していた。
「お見事。Dr.マティス」
ぱん、ぱん、と手を叩きながら歩いてくるのは、ビズリーだった。
「今のが、リーゼ・マクシアの武術ですか。我が社の護衛にも習わせたいものだ」
といっても、リーゼ・マクシア人の貴方のように精霊術は使えませんがね。と威厳あふれるビズリーが、秘書と共に近づいてくると、男(多分少年…そして聞いたことがある声だ)が「同じ車両で良かったです」と安堵の息をついた。
「そちらの二人も、なかなかの腕をお持ちのようだ。
私はクランスピア社代表、ビズリー・カルシ・バクー」
言って、手を差し出してきたビズリーに、ルドガーはどうするんだろう、と見上げた。
「…ルドガー・ウィル・クルスニクです」
「あ、ルリ・ウィル・クルスニクです、先程はどうも」
ルドガーはビズリーが差し出した手を握り、名乗った。次いでルリも名乗ると、ビズリーは二人を舐めるように見た。
「ルドガー、ルリ…ウィル・クルスニク…ユリウスの身内か?」
ルドガーが頷くと、後ろからクルスニク…!と声がして、初めてルリはその少年を見た。
(、うそ…!もしかして、ジュー、ド?)
(05 災難ブラザー)
20121109
20121110/修正
ゲームが進みません←
打ってるからですね!ww
ここはあまり変えるところがなかったです\(^O^)/