どぎまぎスマイル




一人、ぽつんと座っていた。
ルドガーはエルの隣で、困ったような顔して笑ってる。

よかった、笑ってくれて。



ジョルジュ
(どぎまぎスマイル)




「ルリ」

「っ、あ…ジュード」


不意に聞こえた声に肩を揺らして振り向くと、眉を下げてルリを見下ろすジュードがいた。名前を呼んでから何も言わず隣に腰を下ろすと、大丈夫だよ、と笑った。


「なんで、大丈夫だってわかるの?」
「だって、二人は双子で、ずっと一緒にいたんでしょ?
ルリはルドガーの気持ち、わかってるみたいだし…ルドガーも、ルリが何を思ってるかわかってるはずだよ」

「…そう、かな」


うん、僕はそう思う。そう言ってジュードはルリに笑みを向ける。俯いていたルリは涙ぐみながらジュードを見て、鼻を啜った。


「ありがと、ジュード」
「うぅん、僕はただ、自分の思ったことを言っただけ

二人は大丈夫、絶対に」


ジュードの言葉は、魔法のようにルリの心にすとんと落ちた。あぁ、彼が言ってくれるのなら大丈夫だ。そう思わせるような優しい声に、笑顔。

ルリは、へにゃりと破顔させて「ありがと」と言う。ジュードはまた笑顔になり、ルリの頭をぽんぽん、と優しく叩いた。














「あーっ!
ジュードがルリを泣かせてる!」


「えぇ!?」
「ジュード、女の子泣かせちゃ駄目なんだからね!女のテキ!」

「ち、違うよエル!これは…」
「違わないの!だって、ジュードと話して泣いたんでしょ!」


確かにそうではあるが、ジュードは悪くないのだ。ルリは困ってルドガーを見る。ルドガーはどこか吹っ切れたように笑って、エルに目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。


「エル、ルリが勝手に泣き出したんだよ。だからジュードは悪くない」

「だってエル見た、ジュードがルリの頭叩いてたもん!」


頬を膨らませてジュードを睨みつけるエルに3人は困り果てて、顔を見合わせると、ジュードが頷いてルリの手をとった。


「、ジュード?」
「ごめんね、ルリ」

「へ?…え、あ、」


ジュードはルリの頭を優しく撫でる。なぜこうなったんだろう、とルリは疑問符を浮かべて、ルドガーはなんだかおかしくて吹き出した。


「ちょ、ルドガーなんで笑うの!」
「いや、ルリの顔が」
「ひっどい!」


「「ぷ、あははっ!」」


二人が笑い出して、エルはよくわかっていない様子だったがジュードは嬉しそうに笑い、「ね、言ったでしょ?」とルリに問い掛けた。


「うん、ジュードの言った通り」


胸の奥で、何かが、疼いた。



(どぎまぎスマイル)

20121226

オリジナルはさくっと打てるんだけどなぁ…orz