こねた。
取るに足らない話たち
▽電車にて
「うぶっ」
「大丈夫か、ギル」
「うー、これだから満員電車キライなんだよ」
「ほら、俺の腕掴んでていいぞ」
「えー、なんで男の腕に掴まんなきゃいけないの」
「……(ガーン)」
「うぎゃっ」
「ギル!」
「っと。大丈夫か?」
「あ、すいません……」
「構わねぇが、何かに掴まってな」
「は、はい」
「ギル!だから俺に掴まっとけって」
「うー」
「ほら、もう着くから出るぞ」
「あ、あの、ありがとうございました」
「……あぁ」
(なんか、かっこよかった……)
(なんだあの親父、馴れ馴れしくギルの腰抱きやがって)
(細身に見えたけど、がっしりしてたなぁ……)
ベンさんでした。
▽会話
「なぁ、エースって弟いるんだよな」
「おうっ!いるぞ!可愛い弟が」
「ふーん」
「それがどうした?」
「………どんな感じ、弟」
「そうだなぁ、バカで素直で大食いで仲間想いないいやつだ」
「へぇ」
「この前久しぶりに会った時はずっと俺にベッタリでよ〜」
「……」
「海に出てからはなかなか会えないし、あいつ昔っから甘えただったからなぁ……」
「で?」
「ん?」
「だから、エースはどうなの」
「??」
「その弟にべったり甘えられて。だってそいつももう17なんでしょ」
「ん〜?そりゃ兄貴としては弟に甘えられて嬉しいさ。いくつになってもルフィは大事な弟だし、むしろ年取るにつれてそういうのが無くなるのは寂しいかな!」
「……」
「ま、ルフィに限ってそれはないな!」
「……」
「で、それが何だ?」
「別に……」
(17で甘えてもいいのか……)
(いや、でもエースの弟が特殊なだけかも)
(手配書見たけど笑った顔可愛かったし、ああいう弟になら甘えられても嬉しいかもな……)
(………やっぱ俺が甘えてもキモいだけか)
(何だか知らねーけど、悩んでるギルかわいいなぁ)
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