快楽を呼ぶ悪魔 | ナノ

快楽を呼ぶ悪魔

04


「あ、ハードル一個、片づけそびれてる!あたし、片づけてきちゃうねっ!!」

「あ、うん!ごめんね、ありがとう!あずちゃん、気をつけてね?」





体育が終わって、使った器具を片づける。


一段落して、みんなで教室に戻ろうとしたとき、一つだけ片づけそびれているのを発見した。
みんな、部活あるし……。
ということで、あたしがそれを片づけに行くことになった。


千夏も、部活で集まりがあるって、先に行っちゃったし……。
はやく片付けて、戻ろっ。





あたしは、一つ残ったハードルを持って、誰もいない体育倉庫に入った。
埃っぽい体育倉庫。
入った瞬間、思わずむせかえる。





って……あ、れ・・・?
こっちは、使われていない方の体育倉庫だ。
なんで、鍵開いてるんだろ?





うちのグラウンドには、体育倉庫がふたつある。
去年まではこっちが使われていたから、ついつい来ちゃったんだけど……こっちは、旧倉庫。
旧倉庫は、狭いからって理由で使われなくなって、今は鍵がかかっているはずなのに……。





「誰だよ」


と、暗がりでもぞもぞ気配がして、人影が浮かぶ。


「きゃ、きゃあっ!」


びっくりして、思わず声をあげてしまう。
え!?ひ、人……!!


目を凝らしてよく見ると……さ、3年の、柊先輩!
ものすごく問題児で、他校の人とけんかを繰り返すっていう、不良先輩だ。





「は、あんっ・・・あ、や、あう……」





……へ?
今まで、気がつかなかった。
先輩の下、誰かいる……?





「邪魔すんなよ……」


先輩が、あたしを睨みつけた。


先輩の下にいるの、女の人だ。
服が乱れていて……。
って……!!!





「あ、あ・・・!!ご、ごめんなさいっ!」

「…………、」





まずいところに、遭遇した!!
最悪、さいっあく!!


で、出ていかなきゃっ!


あまりのことにわたわたする、あたし。
そんなあたしを見て、先輩が目を細めた。
それから・・・にやっと、笑う。





「消えろ」

「は、はいっ!!ごめんなさいっ」

「お前じゃねーよ、」


ぺろり、と唇を舐めながら、先輩が急に立ち上がった。
そして、下にいた女の人に冷酷な言葉と視線を投げつける。
女の人は、慌てて下から逃げだした。


「お前、今日はいいや。……またの機会に遊んでやる」

「ご、ごめ・・・なさい……」





女の人は、乱れた服のまま、あたしに一言言うと、外に飛び出した。


……え?な、なに?
状況に、頭が付いていかない。





「お前、名前は?」

「ゆ、雪村です」

「へえ?」





先輩が、舌を出して、唇をちょこっと舐めた。


「いい首輪、してんな」


……え?
あ、あああっ!!!
首輪!





「し、失礼しますっ!」


あたしは、慌てて外に飛び出そうとした。
でも・・・できなかった。





あたしがドアに行くより先に、先輩があたしの前に立ちふさがったから。


まずいっ。
頭の中で、警鐘が響く。


「や、やだ……」

「2年だろ?こんないい女がいるなんて、知らなかったよ」


くくって、先輩が笑って、後ろ手に鍵を閉めた。
ガチャンって無情な音が、埃っぽい体育倉庫に響く。


「いや・・・ど、どいて……」





なにをされるのか……。
昨日の経験から、わかる。
あたしは、後ずさりした。


「終わったら、な」


先輩があたしの肩を強めに押した。
急な衝撃にびっくりして、あたしは尻もちをつく。


「い、ったぁ……」


座り込むあたしに、先輩がのしかかってきた。
怖くて、体がすくむ。


「はじめてか?」


先輩が、にやにや笑いながら体育着から手を入れた。
冷たい感触に、ぴくんって体が震える。


「や・・・いや…いやあっ!」

「叫んだって、誰も助けになんか来ねーよ」


先輩が、体育着を首のあたりまでまくしあげた。


「きゃああっ!」

「あらあら。巨乳じゃん」


先輩は目を細めると、ブラに手をかけた。





旧体育倉庫。
きっと……こんな場所、誰も見つけてくれない。





首輪をはずすのは、この人なの?
やだよ・・・。誰か、助けてっ……。


「震え過ぎだろ」





先輩が、くくってのどで笑った。



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