女王様と不良君 | ナノ



女王様の自己紹介


あのね、「氷の女王」とか言われてるの。


……え?誰がって?
あたしよ、あ・た・し。


「氷の女王」なんてね。
間違いなく厨二病のヤツがつけたような、恥ずかしすぎるネーミング。
なのに、それはいつの間にやら学園中に浸透してた。


ま、いいのよ?
だってあたし、いわゆる美人さんだし。





……とか言うと、嫌われちゃいそうだけど。


でもね、あたしの両親って俳優と女優なのよ。
2人とも、美男美女なの。実の子のあたしが言うと、バカみたいだけどね。
つまりね、完璧な両親から産まれた子どもなの、あたし。
よっぽど運が悪くなきゃ、ブサイクにはならないって話。





そんでね、めんどくさいのよ。
芸能人やら財閥の息子やらから求愛されてね。
そんなの、いらないわけ。
だってあたし、1人で生きていけるもん。


誰かのものになるなんてまっぴら。
恋をするってことが誰かのものになるってことなら、あたしは誰とも恋なんかしない。
めんどうだもの。


あたしは、あたしのもの。
誰のものにもならない。
誰があたしを好きにさせるもんですか。


あと、セックス……性行為?
ありえないと思うのよね、あたし。
自分の体に誰かが触れまくった挙句、ナカに突っ込まれるとか。
普段、男はそれで排泄してんのよ?
そんなの、あたしのナカに入れてたまるもんですか。





でね。
そんなことを考えてたあたしだもの。


寄ってくる男には、氷点下の視線を投げかけた。
もともと、同性に好かれるような性格はしていないから、友達もいない。


そうしたらいつの間にか「氷の女王」になっていた。
誰も近寄らせない、誰にも触らせない。


学園で、話しかけてくる人はいなくなった。


たまに、下僕志願みたいなバカな男には声をかけられていたけどね。
それも、スルー。
あたし、そんな趣味ないもの。





すかしてるつもりなんてない。
だって、本当に必要ないから。


友達も要らない。
1人で十分。あたし、キレイだし。





おかしいと思う?
別に、思いたいなら思えばいいんじゃない?


これが、あたしの生き方だし。
誰に文句を言わせるつもりもないわよ。








……あ。
名前、言ってなかったっけ?


あたし、氷野 美姫(ひの みき)っていうの。
こおりの、うつくしいひめ。


……とんでもない名前でしょ?
ま、よろしくね。




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