寝言。勝手に増えます br> ▽フェイリン(ドリ) 探検が好き。 可愛いお洋服も、仲間のコイバナも、甘いスイーツも、思わず頬がほころんでしまうくらいに大好き。 だからもっと冒険したい。仲間と笑っていたい。今までにもたくさんあった「好き」を、これからも、もっとずっと感じていたい。 きっとわたしと同年代の女の子はみんなそう。たぶん、これが普通の女の子。 だから、この思いを目の前の小さな女の子にも感じてほしい。混沌の子なんかじゃなく、普通の、どこにでもいる女の子として、過ごしてほしい。 ロメロの古城で見た前世の記憶。きっとわたしは前世のもっともっとずっと前から、そう思っていたんだ。過酷な運命を背負ってしまった大切な少女に、どうか小さな幸福を。 どうか、ベリンダが普通の女の子として生きていけますように。 創造の子なんて知らない。力なんてわからない。だけど、ベリンダが笑っていてくれるなら、わたしは「普通の女の子」であることをやめよう。きっと、わたしはこの世に生まれる前からそう決めていたんだ。 ―――――――――― フェイリンちゃんはベリちゃんを普通の女の子にしてあげたい、って言ってたけど自分もそうなんだろうな、とか、ベリちゃんのために普通であることを捨てるのか、とか、そういう感じのツイート見かけてフェイリンちゃん辛すぎて泣いてる 140216 04:28 ▽ランティオ(零の軌跡)「あれ、ティオすけ一人か?」 ランディが大きな欠伸をしながら一階に降りると、そこにはティオだけが椅子に座り朝食をとっていた。その向かい側、いつもの定位置に座るとどうやら一緒に取っておいてくれたらしい朝食の乗った皿を目の前に置かれる。 「サンキュ。ところで、ロイドたちはどこ行ったんだ?」 「ロイドとエリィさんなら、キーアを連れて散歩に行きました。ツァイトもキーアに誘われて一緒に」 「ほう、お熱いねぇ。ティオすけは一緒に行かなくてよかったのか?」 何気なく問うと、ティオは一瞬きょとんとしてからさっと目を逸らす。 「…どこかのねぼすけさんが、起きたときに誰もいなかったら困ると思いまして」 つまりは自分のせいだと、そう言われてしまえばさすがのランディも乾いた笑いしか出てこない。しかし自分もキーアと散歩に出かけたかっただろうに、わざわざ待っていてくれたことは素直に嬉しかった。 「でも、ランディさんが寝坊だなんて珍しいですね」 「ああ、グラビアを読んでたらちょっと夜更かししちゃったぜ」 「…」 いつものように軽く返してみたら、呆れたようなジト目で見られてしまった。ロイドやエリィがいたら子ども相手にそんな話、と怒られてしまうだろうか。ティオしかいないこの状況で誤魔化すにはどうにも難しそうだ。それに、相手が相手だ、とランディは観念して静かに口を開いた。 「…夢を、見たんだ」 「夢?」 「猟兵団にいたころ、毎日のように人を斬って、血を浴びて。気付いたら返り血で服も顔も手も何もかもが真っ赤だった」 「……」 「でもな、そこにティオすけがいきなり来たんだよ。そんでいきなりアイシクルエッジなんかぶっ放しやがってよ〜」 「普段の行動に後ろめたいことでもあるんでしょう」 「ハハハ、厳しいねぇ。ま、そんでだ。当然ダメージは喰らったんだけど、自分を見たら身体中についてた返り血が綺麗サッパリ、洗い流されてたってワケだ」 「え……」 「慌ててティオすけの方に顔を向けたところで目が覚めたんだけどよ、いや〜、あれは驚いたな」 普段あまり表情の動かないティオも、わずかに目を見開きランディを見つめる。まさか人の夢で自分がそんなことをしていたなんて。 「だから、まあ、なんだ…ありがとな」 「……いえ、ただの夢の話ですし」 ただの夢。そう言ってしまえばそれだけの話だ。だけど、確かに自分は救われたのだ。ランディは心の中でもう一度サンキュ、ティオすけ、と呟いてから朝食を食べ始めた。 130624 03:57 ▽シンアニ(猫耳シンクとうさ耳アニス)ぴょこり。 目の前で揺れる細長い二本の物体を目で追う。ぴょこり、ぴょこり。せわしなく動くそれは猫であるシンクの好奇心をうずうずと沸き立たせる。 「ひぁっ!」 突然のむず痒い衝撃にアニスは短い悲鳴をあげた。耳を捕まれたのだと理解して抗議の声をあげようとすると、がぶり。痛いような気持ちいいような、なんとも形容しにくい感覚に襲われる。シンクがアニスの耳を食べようとかじっていたのだ。 「ちょっと、シンク!いきなり何すんのよぅ!」 「美味しそうだったから」 「だからってかじらないで!」 まさか猫に食べられるとは。ライオンや狼じゃないから油断していた。アニスはさっとシンクの手から逃げ出すと、威嚇するようにフーッと息を荒立てた。 (まったく、どっちが猫なんだか…) ―――――――――― シンアニ絵チャのお題でけも耳が出たときに描いたのが元です 130403 06:09 ▽シェレイ(ふたご姫)「ねぇ、シェイドの好きな食べ物って何?」 突然の青い少女からの質問に、思わず思考が止まる。何でいきなり…と呟くと、別にいいじゃない、減るもんでもないしと実に楽しそうに微笑むのだ。 「……な…」 「え、なんて言ったの?もういっかい!」 「…バナナ…」 自分に似つかわしくない好物だということは自覚している。シェイドは力の限り大笑いされることを覚悟した。 しかし、レインは一瞬きょとんとしたあと、くすりと優雅に笑ってみせた。 「あなたって、本当に月の国のことが好きなのね」 「え…」 「だって、バナナってお月さまに似ているわ」 彼女は普段は鈍感なくせにこういうところだけ妙に鋭いのだ。シェイドは一生こいつには叶わないな、と苦笑した。 ―――――――――― シェイドの好物ってつまりはそういうことですよね… 130123 01:27 ▽帰国後ノーマ遺跡船で過ごした時間より、それ以前にこの部屋で過ごした期間の方がずっと長い。それだというのに、まるで初めて泊まった部屋のように落ち着かない。あの頃はどうやって過ごしていたんだっけ。頭を捻ってみると、そこにはただエバーライトだけがあった。エバーライト、古刻語、トレジャーハント。あたしの脳内はおよそそれだけの物事で構成されていて。他のことなんて考える暇もなかった。ただ、それはもう終わったのだと。あたしはとうとうエバーライトに、ししょーに辿り着いたのだと。そう思ってみてもなかなか実感がわかない。ただ、あたしが今いるのは遺跡船ではなく大陸なのだという事実だけがそのことを証明していた。暗闇の中、ぼんやりと仲間たちの顔を思い浮かべる。みんな今頃何してるんだろう。もう夜も遅いし、さすがに寝てるか。そんな自分の思考に苦笑してから、ようやく寂しいのだと気が付く。学校を卒業するまでどれくらいかかるんだろう。よくて二年、もしかしたらもっとかかるかもしれない。きっと授業はあたしのいない間に驚くほどのスピードで進んでいたに違いない。みんなに会えるのは何年先のことなんだろう。そこまで考えてから、ぶんぶんと首を振る。あたしは学校に入れてくれたししょーのためにもちゃんと卒業しなきゃいけないんだ。余計なことを考えている暇はない。また、頑張らなきゃ。みんなにはいつか会えるんだから。あたしはさっきまでの思考を拭い去るように、布団にぼふんっ、ともぐりこんだ。 (さみしいあたしなどしんでしまえ) title:Largo 120720 01:31 |