寝言。勝手に増えます

▽ジェイノマ

「あ、」
「どうしたんですか、突然間抜けな声を出して」
「間抜けって言うな〜!そういえば、今年は星祭やってないな〜って思って」
「ああ、そういえば…。今年はみんな多忙でしたからね」
「あ〜あ、今年こそジェージェーの願い事見てやろうと思ったのにな〜」
「ノーマさんには絶対に見せません」
「なんでよ〜!」
「星祭、か…。僕はもういいですけど」
「だ〜、も〜!まだそんなこと言うか!ノリ悪いんだから!」
「ノリが悪くてけっこうです」
(僕の願い事はもう叶ったので、なんて言ったらまた教えろってうるさいに決まってる)


120711 10:14



▽イオシン

「アンタもさ、いつまでもこんな不良品に構うのなんかやめたら?」
「不良品…?」
「何の力もない。誰からも必要とされない。ただの失敗作さ」
「シンクは不良品なんかじゃありませんよ」
「キレイゴトだね。導師として選ばれた、アンタとボクは違うんだ」
「では、誰かから必要とされれば、不良品ではなくなりますか?」
「は…?」
「僕は確かに導師として教会から必要とされているのでしょう。だけど、誰かから必要とされている僕は、シンクを必要としている。僕はシンクがいないと駄目なんです。だから、シンクは僕を必要としているみんなから必要とされている。不良品なんかじゃありませんよ」
「フン、ただの屁理屈じゃないか」

嬉しいだとか、照れくさいだとか、そんな感情は持ち合わせていないものだと思っていたけれど…。どうやら同じ存在であるところのこいつといるときは違うみたいだ


120711 10:05



▽ミズノとマリノ(スタドラ)

「あ」
なんとなしにカレンダーを眺めたミズノが、間抜けな声をあげる。不思議そうに振り返ったマリノに、ミズノは楽しそうな笑顔を向けた。
「ねぇ、今日だよ。学園祭」
結局タクトくんとキスできなかったなぁ、と呟くもその顔は残念とは微塵も思っていないようなものだった。しかしマリノは表情を暗くする。
「ごめんね…。ミズノ、あんなに楽しみにしてたのに。守ってあげられなかった」
「ボクはタクトくんとのキスよりマリノの方が大事だもん」
ミズノはマリノを背後からぎゅっと抱きしめる。ああ、島にいたころは逆が定位置だったのにな、なんて思いながらマリノはミズノの手に触れた。あたたかい、私の大切な双子の妹。
「マリノが傍にいてくれるだけでボクは十分なんだから」
「アンタって、ほんと、私がいないとダメダメなんだから…」
思わず泣きそうになるけど、なんとか堪える。だけど、私達はなんでも通じ合ってしまう双子だから、きっと私が泣きそうになっていることなんてミズノにはバレバレなんだろうな。
「大好きだよ、ミズノ」


120629 12:06



▽くきうの(あだしもの)

「旦那様、他にお仕事はありませんか?」「そうやなぁ…ほんじゃ、散歩につきあってもらおかな」「散歩、ですか…?」「言うたやろ?卯ノ花の願いはワイが叶えたる」「でも、卯ノ花の願いはもう叶えていただきました」「綾女に聞いたんや。お前の新たな願い」「旦那様…!卯ノ花も、頑張ります!頑張って卯ノ花も旦那様の願いを叶えてさしあげたいのです。だから、お仕事以外でもなんでもお申し付けください!」「一緒におってくれるだけで十分や」「え?」「こっちの話。ほな、行こか」「…はい!」

120629 11:45



▽アニスとティア

ふわりと吹いた一陣の風が、長い髪をさらりと揺らした。
「…いいなぁ」
その様子を眺めていたアニスは、羨ましそうに呟いた。そんな羨望の眼差しを受けたティアは、なんのことかわからずきょとんとアニスを見返す。
「え?」
「ティアの髪。まっすぐでサラサラしてるじゃん」
「アニスの髪だって、ふわふわしていていいと思うわよ?」
事実、アニスの髪は彼女の感情に呼応するかのようにふわりふわりと揺れていて可愛らしいと思っていた。しかしアニスは反論するかのようにぶーぶーと口を尖らせた。
「くせ毛だといろいろ大変なのぉ!毎朝髪のセットには苦労するし、ちょっとしたことでもすぐにうねうねになるし…」
ぐちぐちと文句を言い出した少女を、ティアは苦笑して眺める。
「私はアニスの髪型が羨ましいけれど」
そんなことを言ってもどうせまた反論されるだけだろうから、ティアは曖昧に相槌を打ちながらアニスの愚痴を聞いていた。


120513 21:19



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