日差しが部屋に入ってきて、急に目が覚めた。
あたし、名字 名前はどうやら寝坊をしたらしい。
急いで用意をしようとするが体が中々動かない。
布団をめくったら、横には同学年の綾部 喜八郎が気持ち良さそうにスヤスヤと寝ている。
…あれ?なんでこの人あたしの横で寝てるんだ?
しっかりと腕をあたしのお腹まわりに巻きつけている。
…だから動けなかったのか。
うん、そうじゃなくて…、
『喜八郎起きて!もう朝だよ』
ゆすゆすと喜八郎の体を揺らすのだが、喜八郎は「ん〜」と言って顔をあたしの首にうずくまった。
『遅刻しちゃうよー?』
「名前が、キスしたら起きるよ」
えぇぇえぇぇえ!!!
キスしたら起きるって…あなた、子供じゃないんだからι
『………なんで?』
「嘘です」
そう言って喜八郎はおでこに口を近づけキスをした。
『…なっ……////』
いきなりされたので口をポカンと開け、耳を真っ赤にしていたあたしを喜八郎は「茹で蛸みたいです」と言った。
赤くなるのは当たり前のことだ。
今までそういう経験はないのだから。
あっダメダメ、話に戻さないと…
『でさ、どうして喜八郎はここに?』
「あー、それは「綾部君、こんなところにいたの?先輩達みんな集まってるから早く早く〜」というわけ」
『どういうわけ!?』
喜八郎が言おうしたが急にタカ丸君が入ってきた。
先輩達が集まってると言っていたが、なにかあるのだろうか…?
『え、あの…どういうこと?』
「まあまあ、いいからいいから!」
そう言ってタカ丸君は後ろからあたしの肩を押して、外にでた。
外にでると、五・六年生の先輩達、同級生が集まっていた。
「おー!待っていたぞ名前!!」
「遅かったな」
「早く早く」
と言った言葉を浴びせられた。
その先には、学園長とヘムヘムがいた。
「遅かったようじゃのぅ名前。」
「ヘムッ!」
『すみません学園長、それとヘムヘム。昨日は眠れなくて…』
「そうかそうか。みんな集まったところで上級生に報告がある!!」
『報告、ですか?』
「そうじゃ」
学園長が私達に報告と言って、みんな学園長がまたよからぬ事を思いついて言うことなのかと思っていた。
だが、しかし…
「今から上級生にはお花見に行ってもらう!!」
「「「「「「…は?」」」」」」
いきなりお花見に行ってもらうと言われ、みんな呆気ない返事だった。
無理もないだろう。
『学園長、どうしてお花見なんですか?』
「最近上級生は実習が多くなり疲れてると思い、今回は桜満開の場所でゆっくりしてもらおうと思ってのう」
まさか、学園長がそういうとは思ってなかった。
小「お花見、楽しそうだな!!」
長「……もそ」
小「ん?長次もそう思うのか!私と一緒だなっ!」
伊「学園長がそう仰るならそうしたほうがいいよね」
留「まあ、たまにはいいんじゃないか?」
仙「そうだな」
文「ギンギーン!」
勘「楽しみだなあ」
兵「豆腐食べたい」
八「兵助、お前なι」
雷「でもお花見なんて久しぶりだな♪」
三「そうだな」
タ「お花見、楽しそうだねぇ」
綾「……zzZ」
滝「桜は私のように美しい!!」
田「美しいのは私だー!!」
などと、みんな嬉しそうだ。
滝と三木以外は。
「そこでじゃ、名前。明日のお花見の時の料理を作ってあげてくれんかのう」
『お花見の時の料理ですか?わかりました』
「では明日、楽しんでこい」
学園長はそう言って、ヘムヘムと一緒に帰っていた。
…なんのために、あたしは呼び起こされたのだろうか。
よし、明日弁当に入れるものでも考えるかな。
料理もたくさん豊富なほうもみんな喜んでくれると思うし、部屋に戻って考えるか。
そう考え、あたしは自室へと戻った。
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