歪んだ純愛1 | ナノ


歪んだ純愛 1

※R-18G 死ネタですが、悲恋ではありません。
誰がなんと言おうとハッピーエンド。
(私はアンハッピーは書きません。)
しかしながら死ネタが苦手な方はご閲覧をお控えください。



この眼球に映った目の前の光景は、全て理解出来ている。
だけどそんなものは関係ない。

ああ、君の顔、
まるで生きているみたい。




『死ね!ノミ蟲!』
『早く死んでくれないかなぁ!』これは、此処池袋を中心に折原臨也と平和島静雄という二人の男が、十数年程前から幾度となく繰り返してきた会話だ。
だが、叶う事はなく月日は流れ、会えば何時もの如くぶつかり合い、追いかけては殴り合い、切りつけて、でも、言葉とは真逆の結果に行き着く。

いつもギリギリのラインでそれは繰り返されてきた。
静雄が何度追い詰めても半殺しまでに留め、最後は必ず新羅の元へ連れて行く。

臨也は粟楠会が行方を追っていた拳銃を使い、とある人物に静雄を打たせるよう仕向けるも、事前にきちんとした指示はせず、無事である事を確認してから後に『頭でも狙えば死ぬかもしれなかったのに』と未練がましく言い訳をした。

何がしたいのか。
何を確かめているのか。

臨也は、『この程度ではどうせ死なないだろう、化け物なのだから』
そう高を括っている部分もあるだろう。

だが、その方程式は突然終わりを迎える。

キッカケは、静雄が気付いた『想い』 二人の関係は、ここから明確に変化していく事になる。

静雄は、
『どちらかが負けだとか、勝ちだとか、
そんなもんはどうでもいい。
ただ、ぶん殴りたいだけだ。
ぶん殴られるくらいのことを、今まで散々されてきた!』

そう、言葉にして何度も繰り返した。
折原臨也のことを考えるだけで虫唾が走る。
出会ってからずっとだ。
ずっと臨也のことを考えている。
喧騒に対して本気じゃなかった事なんてない。
しかし本気であるならどちらかが必ずとっくに死んでいる筈だ。
互いにどこか判っていても、確信できる言葉は口に出さない。

何故か?

『何故かな…』

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