ストップマイ××× 8



最近、この男を可愛いと思いすぎて変な気持ちがこみ上げてくる。
…口にして言ってやろう。


「クソ可愛いんだよ…!いい加減俺にも入れさせ」

「それは嫌」

「んだソレ…!やっぱ可愛くねぇ!」

「抱くのは俺で、シズちゃんは俺にしか抱かれちゃ駄目」


やはりあっさり拒絶された。
しかし静雄は何ともいえない気持ちになる。
何を言っているのか、当たり前なことを繰り返して言うなんて、臨也は実はあまり頭がよくないのではないだろうかと疑ってしまう。


「ねぇ、俺、可愛くないの…?」

わざとなのか、本気なのか、少し肩を竦めて小首を傾げる様がクラクラとする。
それは女の特権だと聞いたことのある仕草だったのに、臨也の特権だったのかと思うほどだった。

「俺のソレは?」

ソレ、と言われて目線で追うと静雄が今まさに愛撫をしている彼自身だった。
顔に似合わず雄々しいソレは、一目見たときから生唾を飲んでしまった。

「バカかテメェ!もう形も匂いも覚えてんだよ!」

やけくそになって叫ぶと、臨也の切れ長の目がまん丸になった。
何故、どうしてこんなにも曝け出しているのに不安がるのか、意味がわからなくて本題に戻る。


「俺はよぉ、別に…性欲は強ぇけど!認めるけど…!臨也以外の誰かとしたいとか思ってねえ」

「…」

「それに…俺…一人でする時も、テメェのことしか、その」


大の男二人がほぼ裸の状態でベッドに面している最中、恥ずかしくなって下半身を左手で隠した。
なんでかって、そりゃあ、喋っているだけでまた形を成してきたからだ。

「AVとかも…見たことあるけど…全部お前に変換した、り」

「…」

臨也はどんな顔をしてこちらを見ているのか、知りたくなくて顔を逸らす。


「だ、だからよぉ、こんなこと、出来るなんて…奇跡だとおも…、あ!」

バタン

話している最中にいきなり羽交い絞めにされ、唇をふさがれた。

「んっんっんー!!」

ねっとりと口内を侵され、垂れた唾液を舌なめずりした臨也の顔が離れていく。


「ぷ、は、てめ…!」
「シズちゃん、無自覚の誘いは罪に等しいよ」


そして、両手で静雄の頬を包み込んだ。
臨也は顔を伏せたままで表情がうまく伺えない。


「べ、別に誘ってねーし!本当の事言っただけだろうが…!」

「ほんっと…"クソかわいい"」

「え…?」

顔を少し上げた臨也の表情は妙に真剣な面持ちだった。


「俺だけって、何ソレ」

「そ、そんままだろ」

「…じゃあたくさんたくさんあげなきゃ」

美しい笑みを零した臨也の顔に胸がときめいている反面、下半身には待ちに待った感覚が訪れる。



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