ストップマイ××× 4



「ほんとっすね」

臨也の性別や年齢などをさほど気にしたことがなかった静雄にとっては、
好みが“年上”という絶対的な自身のカテゴライズを見事に打ち破っていた事に非常に驚いた。

「え?ていうか、あの折原臨也?へ?男?」

トムが腕組みしながら一生懸命頭を整理している。


「いや、あの、あー、言っちまった、どうしよう」

「すいませーん今度こいつにブラックルシアンで」


酒の力は怖い。
両手で顔を覆い、俯いていると、トムが勝手に追加オーダーをした。
見上げると、トムはグラスを片手にし、酒を口に含んでいる。


「…ぷはっ、で?詳しいことは言いたくねぇなら言わなくていい。ち ゃ ん と 好きなのか?」

「!ああ、はい…俺が、その、告白っていうか」

「こ く は く ぅ?」


トムが一生懸命平然を保とうとしているのは伝わってきている。
そりゃそうだろう、あの折原臨也と俺の関係性を嫌と言うほど知っている人だ。

…急に恥ずかしくなってきた。
肩を竦めて下を向く。

目の前にトムが勝手に頼んだカクテルが置かれる。
黒色で透明が混じったカクテルだった。


「トムさん…俺のこと気持ち悪くないんすか…?」

「あー…別に?ただびっくりすらぁな。可愛い後輩が男と付き合っていようが何だろうが、幸せならイイ。まぁ、女紹介する気は失せたな。まだ死にたくねーし」

「?」


トムが後ろを気遣い、眉を顰めて苦笑いした。
静雄が小首を傾げると、二人の席の間から細くてしなやかな手先が割り込んできた。


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