目隠しの国の図書館編とやら
何回か口淫と褒美を関連付けさせてやれば、口で奉仕することに忌避感を覚えることも少なくなったようだ。最近ではスバルが自分で性器を取り出さなくても自分から進んでやってくれる。最も最中にやけにスバルの反応を伺ってくるので、意趣返しもあるのかもしれない。それに自分が行ったことに相手が反応を返してくれればやる気も出るというものだ。

「……ん」
「はーいあんがとね……で、今日は何がお望みで?」

物覚えも良い。スバルが一度望んだことは大抵その通りにする。今回もしっかり精液を胃に収めたことを口を開けて見せてくれた。別にスバルは次もこうしろなんて指示してないが、向上心があるのは悪い事じゃない。

「本が欲しい」
「本、ねぇ」
「………どんなものでも構わないんだ。市民の間で流行っている恋愛や、空想の世界を題材にしたものでもいいし、研究書や学術書でも。何か見繕って、持ってきては貰えないだろうか」
「趣味なの?」
「そうだ」

こくりと素直にユリウスが頷いた。風呂の時と同じくちょっとそわそわしているのは活字中毒かなんかなのだろうか。つんと澄ました顔をしている割に、この男は結構感情が豊かだ。

「………んー」
「駄目、だろうか」

ほら、少し答えを出さないだけであっさりしょぼくれた。諦めが良いのはこちらとしても助かるが、別に駄目とは言っていない。

「いや、それはいいんだけどさ。好みじゃない本読んでもつまらないだろうし、俺もそこまで読書家じゃないし、どうせなら図書室に連れて行、」
「それは本当かっ!」
「うおっ!!ちょ、怖っ!落ち着いてくれる?!」

話の途中だというのに胸倉を掴まれてがくがくと揺すぶられる。ぎらぎらと輝く瞳はユリウスが酷く興奮していることを表していて、初めて見る勢いと表情に思わず口の端が引き攣った。


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bkm
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