放課後レッスン(2/5)


ただからかうつもりのだけだった。


なのに、眼鏡を外した間宮は途端に幼い雰囲気になって。
分厚いレンズのせいで歪んでいた眼は黒目は大きく少し生意気そうな印象になって。

不覚にも色っぽいと思ってしまった。


「ほら、やっぱ眼鏡ないほうがいいって」

「返せっ!」


伸びてきた腕を掴んで引き寄せて間宮の耳元で囁く。


「好きな女の名前教えてくれたら返す」

「……っ!そんな存在はいない…!」

「ふっ、お前嘘つくの下手すぎ。どーせその女のこと想像しながら毎日シコッてんだろ?」


間宮はあからさまに全身を強張らせる。

面白い、と感じたのは一瞬で、引き寄せた華奢な体が微かに震えている様に女を抱くとき以上の欲情を感じてしまった。


「あー、図星か。やっぱガリ勉でもそういうことはすんのな」

「ふっざけ……、っん…!?」


俺を突き放そうとする間宮を無意識のうちに掴み留めて俺は強引に唇を重ねていた。


……昨日セックスしたばっかりなのに、女にはない身体の骨の角ばった感覚や薄い唇に今までにはない欲が湧き上がって理性を抑えられない。


「……勉強教えてくれてるお礼。俺、上手いってよく言われるから。キスの仕方教えてやるよ」

「そっ……! 、ふ……ぅっ!」

「息止めなくていーよ」


舌で唇をこじ開けると間宮の肩がビクッと大きく跳ね上がった。

初々しすぎる反応が面白くて、可愛くて、俺は本能のまま舌先に力を込めて無理やり口内に侵入する。


「うぅぅっ!」


逃げようとする間宮の頭を押さえてさらに深く舌を伸ばして強張っている間宮の舌に絡ませる。

少しざらついている舌や短い髪や脂肪のない硬い腕、何もかもが新鮮な感触だった。
もっと色んな感覚を確かめたくて、俺は夢中になって間宮の口内を貪った。


「っは!…はぁっ、…っは…!」


呼吸に限界がきたのか、力任せに俺を押しのけて間宮はガクンと椅子に崩れ落ちた。


「息止めなくていいって言ってんのに」

「そういう問題じゃ、ないだろ……っ。なんで、こんなこと…!」


荒い呼吸を繰り返しながら間宮は俯いたまま顎にまで伝っている唾液を拭う。


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