歪んだ檻(3/5)


「っはぁ、…っ悠人さん、せめてこれ外してくれませんか」


勃つことすら許されない責め苦に耐えかねて悠人を見上げる。
落ち着きを取り戻した悠人は冷ややかに自分を見下ろしていた。


「…睦月ってほんと我が儘だね。甘えたってもう簡単に許してあげないよ」

「ぅあッ!!…っあ、ぅ、っんん…!」


悠人が手にしているスイッチからカチリと音が聞こえたと同時にバイブの振動が一段と強くなった。電撃のように激しい快感が突き抜けて思わず身をすくめる。けれど息をつく間もなく頭を掴まれて悠人の自身を無理やり咥え直された。


「…僕は睦月がいないと生きていけないのに。どこにでも好き勝手行ける睦月はずるいよ」

「んんんっ!…っふ!う、んうぅッ!」


バイブが獰猛な唸り声を上げて内壁を揺さぶる。そして快感を得れば得るほど、隆起しかける性器が鉄に締め付けられて痛みに襲われてしまう。

狂いそうな刺激に全身が痺れて、ガリガリと爪で床を掻いてもがく。


「大人になってからますます自由になって、睦月がどんどん遠くに行っちゃう気がするんだ。…そんなの嫌だ。どこにも行かせない。睦月は一生僕だけのものだ」

「んぐっ…、はあッ!あっ、は…ッ!」


髪を掴まれて上を向かされる。目を細めて微笑んでいる悠人があまりにも綺麗で、背筋がゾクゾクと背筋が騒ぎ立った。


「睦月は絶対に僕から逃げられないんだよ。ねぇ、わかった?」

「わっ、わかり、ました…っ」


答えると悠人は一層笑みを深めて掴んでいた髪を梳かすように撫でた。


「お仕置きされてるときの睦月は可愛い。いつもは憎たらしいくらい飄々としてるから」

「んッ…!あっ!あ…っ!」


細い指が耳をくすぐる。疼痛と快楽で感覚がおかしくなった身体はそんな甘やかな刺激に過剰に反応して跳ね上がった。


「体、辛い? 外して欲しい?」

「は、ぃ…っ!」

「じゃあ鍵、自分で取って。でも手は使っちゃダメだよ」

「…っ、う…」


力の入らない体を無理やり起こす。

貞操帯の鍵は悠人が身に着けているネックレスにかけてある。

膝立ちになって悠人にもたれかかり、首にかかっているボールチェーンの付け外し部分を口や舌を使って手繰り寄せていく。


「…ぅあっ!? あぁっ…!!」


やっと金具にたどり着いた瞬間、悠人の指先が胸の先端をつついた。
固く尖った乳頭をいたずらに摘ままれ弄ばれ、突き抜ける刺激に堪らず体勢を崩す。


「待っ…、って…!ほんとに、無理だからっ…!」

「どうしたの? 鍵 取らないの?」

「ああぁっ!!」


クスクスと笑いながら悠人は両方のしこりをキツく捻りあげた。

上からも下からも恐悦に犯されて本当に気が狂わされそうになる。一刻も早く解放されたくて、必死に体を支えて悠人の首筋に舌を這わせ、金具を噛む。


「ふっ…、う、く…ッうぅ…っ」


なんとか金具を外して鍵の先を口に挟み悠人に差し出す。涙で滲む視界に映る悠人は満足げに笑っていた。


「普段もこんな風に良い子でいてくれればいいのに」


鍵を受け取ると悠人は自分を床に仰向けに寝かせた。水浸しになっている床の冷たくて硬い感触は火照りきった身体には逆に心地よかった。


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