可愛いから殴りたい(4/4)


「もう…限界だよ、空木くん…っ」

「はい。僕ももう我慢できません」


そう言うと空木くんは僕の腰を持ち上げた。固くて熱いものがヒクつく穴に当てられる。


「すみません。解しきれていないので痛いと思います」

「へっ…? っう、あ!?ああぁあッ!!」


内側が無理やり掻き分けられ広げられていく熱い感覚に目の前が眩む。

激しい痛みと甘い痺れに同時に襲われて思考が真っ白になった。


「…痛いですか?」

「わっわわかんないっ…これ、空木くんのが入っちゃってるのっ?」

「…大丈夫そうですね」

「ふあぁっあああ!」


はち切れそうな圧迫感がさらに奥へと沈んでいく。

痛いのか気持ちいいのかもわからないまま夢中で空木くんの腕を掴んで泣き震えながら衝撃に耐える。


「…僕のこと、嫌いになりましたか?」

「…ふ、ぇっ…?」


ぎゅっと瞑っていた目を開けると空木くんが切なげに顔をひそめていた。


「…っ、好きとか、そいういのはまだよくわからないけど…っ、空木くんが僕のことをこんなに想っていてくれたのは嬉しいって思うよ」


空木くんを不安にさせないために精一杯の笑顔で答える。すると空木くんは珍しく顔を赤くさせて、それを隠すように俯いた。


「…かっ、」

「…か?」

「可愛すぎるんですよ、流さんは…っ」

「ひゃっ!?うぁっああぁ!」


空木くんの熱が一気に最奥へ突き進む。重く打ち付けられる衝撃でビクンッと大きく身体がのたうった。


「ま、待って…っ動いたら…おかしくなりそう…っ!」

「無理です。止まりません。これでもかなり抑えてるんです」

「うあぁっあッ!ひっ…あ、ああぁっ」


出し入れされる摩擦の痛みが徐々に快楽に塗り替わっていく。

戸惑いながらも僕の中は空木くんの熱を全て呑み込んでビクビクとうねっていた。

激しく貫かれる度に快感が増し、身体中の神経が淫らに研ぎ澄まされて侵食される悦びに波打つ。


「ああっ!そこ、はっ…んあッあああ!」


腰の角度を変え、固い切っ先が指で責められていた弱点を押し上げる。

たちまち熱情が駆け上がって僕の自身が限界だと言わんばかりに激しく痙攣した。


「空木く、んっ…ごめ、もう出ちゃうっ…あッううぅっ!」

「イッて大丈夫ですよ」


空木くんは少し余裕のない表情で囁いて僕の中を荒々しく貫く。

一層大きくなった衝撃に全身が支配されて欲望の最果てへと一気に導かれる。


「はっ…あ、あッ イク!イクッ…!くっ、ふぁ、あっあ!!」


狂喜の高波が押し寄せ、溺れてしまいそうなほどの快感に飲み込まれる。

甘美な法悦に身も心も満ち満ちて意識が真っ白に染まっていった。



「…ふぁ…っ はぁ…はぁ…っ、…すごい…こんなの初めてぇ…」


心地よい余韻に浸りながら、うぶな少女っぽいセリフを呟いてみる。


「…まだそういうふざけたことを言える余裕があったんですね」


真顔で僕を見下ろして空木くんは体重をかけてグリッと僕の中を抉る。


「もう余裕ないです!限界です!きしょいこと言ってすみません!」


慌てて謝ると空木くんは腰を落としてくれた。でも中に埋まっている空木くんのものはまだ固く荒立っているままだ。


「…あの…、空木くんはまだイッてないよね?…その、大丈夫?」

「これ以上やったら流さんの体が本当に枯れ果ててしまう気がするので、後で自分で抜きます」

「あっ、それ僕手伝おうか?」


薬の効果で色々と積極的になっているのか、なかなか大胆なことが言えた。

長いことご無沙汰で性欲なんて枯渇していた自分をこんなにも漲らせてくれた空木くんに僕も何か尽くしてあげたい。

でも唐突に首根っこをガッと掴まれたことにより、『いつもより大胆な僕』は一瞬で萎んでしまった。


「…それ以上煽ったらぶち犯しますよ」

「げっほ!ごめんなさい…!なんかわかんないけどごめんなさい!」


空木くんはため息を一つ吐くと僕の体を緩く抱きしめた。


「何もしなくていいので、もう少しこのままいさせてください」

「…うん、いいよ?」


無意識にぎゅっと抱きしめ返すと空木くんが小さく震えた。


「…はぁ。犯したい」

「え゛っ!?」

「いや、ちゃんと我慢しますよ。…でもいつか我慢しきれなくなると思うので覚悟しておいてください」

「は、はい…」


できれば徐々にでお願いします。と言ってみると、おっさんが甘えたこと言わないでください。とピシャリと言い返された。

こんなことになっても空木くんは相変わらずぶっきらぼうで毒舌でおっかない。

でも僕を抱きしめる体は熱くて優しかった。





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