※※第３０７話:Make Love(&Aphrodisiac).186
「わかった……」
ようやく聞けたのかむしろ聞きたくて二回言わせたのか、不敵に笑った薔は彼女をソファへ押し倒した。
「あっあっあっ…ああっ、らめ…っ、動いちゃっ…っ、」
ビクビクとふるえっぱなしのナナは、また体勢が変われば“中で彼の角度が変わって動いちゃう”のでそのことが気持ちよすぎて訴えようとしたのだけど。
「激しくしてって言ったのはおまえだろ？」
そんなことは今さらだった。
角度以上に速度が変わって、激しく突かれだす。
整えるみたいにナナの髪をしなやかに撫でると、薔は自分の髪が邪魔そうに無造作に頭を振る。
そして彼は少し、息を乱した。
「あああっっ！あっ…あっ、あっあ…っ、ああ…っあっあっ、」
絶頂を得たナナは戦慄き、掴まれた脚はますます高く持ち上げられる。
「……もっと？」
ただでさえ腰づかいは過激でも、彼は誘い出そうとした。
「ん…っ、んっっ、」
ナナは頷き、乳房を揺らす。
絶え間なくゆさゆさと、淫らに揺らめかせた。
薔は揺れていた胸を揉みしだき、首筋に何度もキスをする。
吐息も肌を愛撫するから、ナナは感じすぎてどうしようもなかった。
「あああああぁぁっっ！」
きつくしがみついた彼女は、絶頂を得る。
「……っ！」
今度はほぼ同時に薔も射精をして、中に勢いよく注ぎ込んだ。
子宮まで充たされるナナは恍惚の表情で、彼を搾り取る。
お腹の奥が熱く切なくなり、鼓動はすっかり彼に支配されていた。
「収まりきらなかったな？」
出したとたんに淫水が溢れだしてきている結合部を見やり、嬌笑した薔はさっそく攪拌させるように最奥を突き上げた。
「つうか、おまえん中気持ちよすぎだろ……」
言葉は妖しく零れ落ちて、愛撫となる。
「あっあっあ…っ、あああっ――――――…っっ……！」
腰を掴み寄せられたナナは淫靡な音たちに塗れ、濡れていった。
彼に濡らされるままに、滴を垂らし液を飛び散らせ、濡らしていった。
――――――――…
「君が激しい嫉妬を覚えている人物に、私は会ったことがあるような気がするのだが気のせいだろうか？」
夜です、バーとかではなく串焼きが人気の居酒屋です、屡薇の行きつけだそうです。
賑やかなこちらの居酒屋にて、醐留権先生と屡薇はわざわざ御座敷で飲んでいた。
「え〜？気のせいだよ、だってあいつマジで気持ち悪いもん……薔ちゃんから見えてる俺より気持ち悪いこと間違いなし……」
生ビールを飲みまくった屡薇はすでに悪酔いしており、テーブルに頬杖を突きウフフと笑っている。
「それはどうだか……」
確かに気持ちが悪いなと思ったゾーラ先生は訝しげな表情で、赤ワインを飲んでいた。
「うっううっ……ゴルちゃん、傷心の俺と一緒に温泉旅行とかしてくれない？」
「全力で断る。」
「ひどいよ〜！この先生イケメンなのにひど〜い！」
「イケメンではあるが何も酷いことはしていない。」
そのうちに、屡薇は泣き上戸となった。
スマートに断った醐留権はいかんせんめんどくさいのだけど、お裾分けの品をまだ手渡してもらえていないので帰るに帰れない。
イケメンの部分も否定はしない。
「あああっ！何かイケメンとイケメンが残念な会話してる！……ってすごくいいところなのに、ゆっくりしてたらジョージに間に合わない！」
ゾーラ先生と屡薇がだいぶ打ち解けていると、隣の席から大声が聞こえてきた。
間仕切りもあるしふたりとも盛り上がっているしで、このときは隣の席のことなど何も気に掛けていなかった。
…――Paradise for her！
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