※※第339話:Make Love(&Acquisitive).206








 薔も全部脱ぎ捨てると、また、ヘッドボードに手を突いた。

 「あーんしな?震えてようが痺れてようが、大きく開けろよ?」
 口元に持っていった彼は上から入れてくれるようで、彼女が決して抗えないことを知っている。
 だから、大胆不敵に見下ろしている。

 「は…っ、あ…っ、」
 ナナは思い切り口を開き、彼を喉まで受け入れたがっていた。
 「そう……俺の言う事は聞くしかねぇよな、おまえのそういう恭順なとこ、可愛くて大好きだよ……」
 微笑んだ彼は敢えて、抽象的ではない言い方をして彼女をたしなめていた。
 ドキッとしたナナはそのまま、深く咥え込まされる。

 「ん……」
 片手で少しあたまを押さえつけると、薔は動きだした。
 ナナはしゃぶりついているだけで、あとは彼がちゃんと喉に当たるように動いてくれた。

 「んっむ…っんうっ、んん…っ、」
 ナナは無我夢中になり、彼の脚にゆびを立てる。
 ベッドは更に軋み、イラマチオを彩った。

 「あー……やっぱすげえ気持ちいい……」
 薔は彼女の髪にゆびを絡め、ゆっくりと捩じ込んだ。
 「ん…っ!?んんうっっ、」
 感じるナナは彼を味わいながら、潮吹きをしている。
 下の口はひくんひくんとうねり、そちらも早く彼を受け入れたがっていた。

 侵して欲しくて、止め処なく支配されたくて堪らない。
 自分の躰は全て彼のものであるということも、もっともっと痛感させて欲しい。


 「んんんんんっっ!」
 腰を跳ねさせたナナは達していた、達している間も彼に吸いついて、息も忘れるくらいの快い目眩を覚える。
 「……歯ぁ立てんなよ?」
 薔はあたまをよしよしすると、スムーズに抜いた。
 口の中にいても気持ち良かったのだけど、彼も我慢ができなくなっていた。



 細やかな潮吹きが止まらない中、しっかりと当てがわれたナナは息を荒らげる。

 「俺だけが知ってるエッチなおまえも……大好きだよ?ナナ……」
 そっと耳打ちすると、耳打ちの優しさとは対照的に薔は激しく挿入した。
 一突きでズプリと、最奥に突き当てた。



 「んああっっ!」
 耳がぞくぞくしたこともあり、ナナは挿れられる途中で絶頂となった。

 「ずっと、一緒にいたいな……」
 何度も奥を突きながら、激しさで紛らすように、どこか切なげに薔は囁いた。

 「おまえの命も、俺だけのためにあってくれたらな……」


 抱きしめてくる彼のゆびは、狂おしく肌に食い込んだ。

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