※※第287話:Make Love(&Make Love!).18







 「んんあっっ!」
 またしても絶頂を得たナナはくちびるをゆびで弾かれ、抱き寄せられ乳房を揉まれた。
 繋がっていれば、伝わりあう、嘘はつけない。
 「あ……」
 収縮に一度堪えた薔はしなやかにナナの髪を撫でて、項にキスをした。
 お仕置きの前のセックスでつけたキスの痕を、くちびるでなぞる。

 「んっああっっあ…っ、あっあっあっっああ…っあっ、」
 肌へのキスも気持ちがよすぎて、ナナは膣を狭めた。
 「ここにキスされんのも好きか?」
 悪戯めいたゆびづかいで、彼は項を撫でる。

 「あっあっ…あっ、好きっっ、好きぃ…っ!」
 ナナは必死で応えた、どこであっても、彼のしてくれるキスは大好きだ。
 キスマークをつけるとき、ちょっと強く吸いつかれると、咬まれるのではないかとドキドキしてしまうのも病みつきになっている。

 「可愛いな……」
 吐息混じりに笑った薔はゆびの背を頬に滑らせた。


 「あっ…あああああんっっ!」
 ゆびが滑り落ちると、戦慄いたナナは絶頂を得た。
 「……っ!」
 ほぼ同時に、薔も彼女の中に射精をする。

 欲しがって良かった。
 また、最愛の淫水に子宮まで充たされてゆく。
 脈動する体内には、確かに、残されていると感じた。

 彼の熱が。







 「解いてやるから、ナナ?こっち向いて?」
 また激しく責めながら腕を愛撫していった薔は、シルクの布を解く。
 やっぱり、彼の手にかかればいとも容易く解けてしまう。


 パチュッ…!ズチッ――…!

 「あっあっ…ああっあっ、あ…あっあっあ…っ、あああっっ、あっん…っ、」
 ひっきりなしに喘ぎを上げ、両手が自由になったナナは懸命に彼のほうを向いた。
 自由になったのは、目に見える部分だけだ。

 痣ができていないかどうかを確かめるみたいに手首をさすっていた薔は、彼女のおでこにキスをした。

 鎖骨が、きれいで、ナナは見惚れてしまう。


 「どこ見てんだ?」
 自由にした手に手を重ねて、ゆびを絡めた薔は優しくくちづけをする。

 「こっち向けって言ったろ?」
 視線を視線に向けていなかったナナは、たしなめられた。
 たしなめられるとますます、興奮して濡れる。



 ふたりは何度でも最奥まで合わさりながら、キスを交わした。
 ディープにせずにはいられなくて、舌も絡めあう。

 融けてゆくようだった、彼の残したものたちが体内のずっと奥深くで、甘く融けてゆくようだった。

















  …――I want your root.

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