※※第278話:Make Love(&Jiggly).170
包み隠しのない甘やかな囁きで彼女を瞬く間に導いた薔も、ほぼ同時に中で射精をした。
「……っ!」
彼のふるえも躰を抱きしめ、ナナは子宮目掛けて放たれた迸りをうっとりと体内でむさぼる。
この熱は何度味わっても、足りることのない狂熱だった、満たされれば欲しくなり全身は貪欲になる。
「なあ、次はゆっくりにしてみるか……」
すでに白濁が溢れだしてきている結合部をほんとうにゆっくりと突き上げ、薔は息を乱して笑った。
「あっんっ…あっ、あっ…ああんっっ、」
ゆっくりだとじれったくても、これはこれでまた気持ちがよくて、目一杯に嵌められナナは彼を狭める。
体液はスローに攪拌されてゆく。
そんななか、彼女は本能で、彼への健気なお返しとして、ご奉仕をしたくて堪らなくもなっていた。
渇望している、つまるところはどこもかしこも奥まで淫されたい。
「……どうした?」
欲しがりな視線に気づいた薔はくちびるのすぐ近くで微笑み、くちづけで奪いにきた。
「上の口にもぶち込まれたがってる顔してんな……」
奪う前の囁きは見事に的を射て、ナナは見透かされている感覚にも心を愛撫される。
「んんんっっ!」
舌を絡められだしたとたんに、彼女はイった。
ふたりはゆさゆさと、止められない腰を淫靡に合わせていった。
――――――――…
「えっ!?何で来たの!?」
まだまだ終わることのない、夜です。
特に約束もしていないのに訪ねてきた彼氏のまえ、上下セットの黄色いジャージ(これもいつか貸し出すのかな)姿で寛ぎの時間中だった真依は慌てた。
嬉しくないはずはないけれど、何せ格好が格好なので。
「いや、俺の楽園それすなわちエデンでもあるここに来れば、ブルーハワイにありつけるかなと思って……」
「はあ!?」
俯き加減の屡薇は彼女にはまったくわからない台詞をまるでひとりごちて、真依は本気で彼を見なかったことにしてドアを閉めたくなった。
「屡薇くん、今の場合さ、ブルーハワイのほうもラピスラズリとかに例えたほうがかっこよくない?エデンだけだとなんか、釣り合い取れてない感じだよ?」
がしかし、真依は思ったままのことを指摘した、彼は作詞を手掛けているのだからこのくらいの感性は持っていてもらわなくては困るといった心持ちで。
「えええ…?なにそのダメ出し……今日は俺がんばって、薔ちゃんにツッコミ入れてもらえたのに……」
「上がってよし!」
よって、落ち込んだ屡薇は結果的に、彼女宅へ上げてもらうことに成功した。
話したほうがむしろ良かった模様だ。
その話一部始終聞きたい!と思っている真依はルンルンで、ご丁寧に玄米茶の用意までしてくれる。
「うわ〜、真依さん可愛いなあ!ジャージって真依さんが着るとこんなにも可愛いんだな!やばい可愛い!さすが俺の妖精!」
昼間のラブラブカップルにかなり触発されていた屡薇は我慢がならず、ぎゅうっと彼女を抱きしめていた。
「ちょっと!いきなり後ろから抱きつかないでよ!」
「あ、ごめん、火傷した?」
「してたら殴ってる!」
「だよね?良かった〜!」
なんかものすごくラブラブなカップルみたいなことしないでほしいんだけど!と思っている真依は今まさに、ラブラブカップル満喫中だった。
……夜はもっともっと、妖艶に色を濃くしてゆくようです。
…――And they gets wet.
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