※※第276話:Make Love(&Sooth).168







 「起きたか?」
 横になりあたまを撫でていた薔は、むき出しの肩にキスをして、キュッ……と乳首を摘まんだ。
 ナナのあたまは彼と一緒に枕へ乗せられ、胸を抱き寄せられる。

 「おはよ…」
 薔は声からして、寝てはいない、甘い声をしていたけれど寝起きの声ではなかった。


 「お…っ、おはようっ…ござ…っ、あ…っんっ、あ…っ、」
 身を捩ろうにも上手くできなかったナナは、布団のなかでもぞもぞと素脚を動かす。
 硬く膨らんだ乳首は柔和にこねられ、ビクビクと全身で卑猥な反応を示している。
 せっかく整えられた髪も、また少しずつ乱れてゆく。


 「目が覚めてからびっくりさせようと思って、ずっと抜かずにいた……」
 くちびるを項に這わせる薔は乳房も揉んで刺激する。

 「つってもさっきまでしてたけどな?」
 おまけに悪戯めいて笑うので、吐息にも刺激をされた。








 ヌグッ…グチュッ――…

 「はあっ…あっ、……ダメ…っ、あ…っんっ、」
 ガクガクしてしまう手を口許に当てて、ナナは上擦った声を振り絞る。
 さっきまでしていたことを、覚えていない、躰以外は。

 「ダメ?何が?」
 なめらかに一度突き上げた薔はキスをつづけて、腰を抱いていた手を下方に伝わせクリトリスを弄くった。

 「まだ寝てる?」
 と、確かめるあいだにも、クリトリスはゆびで開かれる。



 クチッ…ッ…グチュッ……

 「あっ…あっあ…っ、あっん…っ、」
 つまさきを伸ばしたナナは、脚を閉じようと試みたができなかった。
 閉じられても気持ちがいいことには変わりないのだし。
 こんなエッチなことをされながら、まだ寝ることができるはずもない。

 「腰……揺れてるぞ?ダメじゃなかったろ?」
 開かせた陰核をさするみたいに弾き、薔は乳首をゆびで上下に遊ばせる。

 「今度は全部覚えてられるように、ゆっくり動いてみようか、ナナ……」
 ゆびさきで絡め取られる蜜が、素直な音色をグチュグチュと奏でている。









 「あっあっ…っんっ、あ…っ、」
 ナナはほんとうにゆっくりと動かれだし、キュンキュンと中を収縮させた。
 布団に隠れていて見えないのがまた淫靡で、彼女は昨夜の出来事なんてすっかり忘れられている。
 もしかしたら、彼はそれを狙っていたのかもしれない。



 ビクッ…!ビクンッ――…!

 「あ…っっ!」
 スローなのでもわりとすぐにナナはイけてしまい、強く嵌められたままの腰をしきりに跳ねさせた。
 クリトリスを包んで掴み寄せられているために、腰が跳ねても逃げることはない。

 「もうイったのか、可愛いな……」
 顔の向きを変えさせ、覗き込んだ薔はキスを落とす。
 彼の髪はいい匂いがして、時折肌を撫でてくれるのがとても気持ちよくて、ナナはおはようのキスでさっそく舌を絡められた。






 …――――全てを思い出してしまったとき、彼女も全てを受け入れられることを願おう。

















  …――Perhaps she also……

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