※※第255話:Make Love(&Sex aid).29
















 「狂いながら、愛してる――…」

 何処までも、何時までも。
















 真依のエプロンだけを残してあとは全部、叶うものなら己のテクニックにより5秒で脱がしてしまいたい屡薇だったがやはりそんなテクニックを持ち合わせているはずもなくとりあえず耳へのキスを続行させた。
 アパートの狭いキッチンにいやらしいリップ音が響き、聴覚を刺激されて真依の鼓動は高鳴る。
 けれど聞こえてくるのは彼のくちびるが奏でる淫音だけで、自分の鼓動は聞こえてこない。


 「……っんっ、あ…っ、ちょっ…と…っ、屡薇くん……待って…っ、」
 音漏れを気にする真依は思わず上げてしまいそうになる甘ったるい声を極力抑えて、彼を制止させようとした。
 夕食の準備をしなくてはならないという理由からではなく、気持ちがよくて堪らないからいったん落ち着かせてほしかった。

 「これ以上どうやって待てばいいの?」
 キスを躊躇うこともなく、屡薇は首筋へとくちびるを滑らせてゆく。
 そうしながら、エプロンのうえから彼女の胸をさすっていた。

 「だって俺たちずっと待ってたでしょ?」
 首もとに少し強く吸いついた彼は、くすくすと笑う。



 「…――――っっ、」
 上手く言い返す言葉が見つからず、真依はぶるりと躰をふるわせた。
 一瞬、咬みつかれたのかと思った。
 そのことにこんなにも興奮してしまうなんて、悔しい反面どうせなら咬んでほしい気持ちもある。

 「声、我慢してるんだ?可愛いな…」
 きちんと彼女は音漏れを気にしているのだと察した屡薇は、わざとらしく衣服のうえから胸を揉みしだいた。
 「や…っ、やだ…っ、……やめ…っ、ん…っんっ、」
 止めてほしくないのに嫌がる真依は、食材の準備すらしていなかった調理台へと両手を突く。
 エプロンがはらりと揺れて、彼女のパンツはすでにびしょ濡れとなっていた。

 「え〜?ほんとは止めてほしくないくせに、」
 愉しげに笑って、屡薇は服の下から迫り出してしまっている乳首を両手で摘まむ。
 首筋にはなめらかに、くちびるが這う。


 「っ…あっっ、」
 ビクンッと躰を反らした真依は、必死になって調理台へゆびを立てた。
 乳首がじんじんしてますます硬くなる、直接弄ってほしくてうずうずしてくる。



 そんな彼女の気持ちがちゃんと伝わっているのか、屡薇は服のなかへ両手を忍ばせてゆきながら、

 「真依さん、チューしよ?」

 耳もと囁いて、彼女のくちびるを引き寄せた。

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