※※第201話:Make Love(&Obscenity).118







 ズッ、ズッ、ズチュッ――…

 「あっあっあ…あっあ、っは…あっン、あ…っ、」
 ギシギシとベッドは軋み、ナナは次々と喘ぎを上げた。
 奥へと向かって幾度となく突き上げられ、熱くなりすぎた躰は焔のように燃え上がりそうだ。

 「ナナ…」
 突きながら薔は、意識が飛んで善がる彼女の頬を撫で、

 「あ…っっ!」

 ナナは絶頂を得る。
 絶頂を得ながら無意識のうちに、頬に当てられた彼の手へと甘えるみたいに手を重ねていた。

 「……っ、く…っ、」
 中は収縮によって狭まり、ふるえた薔は歯を食い縛る。
 「ああ…あっ、あ…っ、」
 奥へ奥へと突かれるナナは甘い痙攣を起こし、しばらくは継続してイけてしまった。




 「気持ちよすぎて飛んじまったんだよな…おまえ、」
 彼は重ねられていた彼女の手を取り、つよくゆびを絡めるとさらに動きを速めた。

 「全部俺に…預けていいからな?」
 もうかたほうの手にも、つよくゆびが絡められる。


 「ん…っん、うん…っ、」
 激しさのなかで、くちびるが奪われた。
 ふたりの胸元はいやらしく擦れあい、Sのネックレスに7のネックレスが触れてシャラリと綺麗な音を立てる。

 「んっ…はっン、んん…っ、」
 濃厚で、息の根ごと持っていかれそうなディープキスで、深くくちびるを重ねあう。
 もし、呼吸が止まってしまったとしても、すぐに吹き込むことができるのだから。




 ぶつかりあうことも、惜しみなく、幾度となく激しく滑らかに性器を絡める。

 「……っは…っ、」
 不意に、くちびるを放した薔は切なげに躰を反らした。
 彼の肌を伝った汗が煌めきを帯びる。

 「あああぁぁっっん!」
 戦慄き、ナナは再びの絶頂を得て、

 「……っ!」

 ほぼ同時に、薔も射精をした。


 「はあっ…あ、あ…あっぁあ、」
 子宮目掛けて迸りは注ぎ込まれ、イキながらナナは全てを受け止める。
 繋がった場所は体液が溢れ蕩けそうになっているが、これからもっとふたりで攪拌させてゆくのだ。



 「一度じゃ全然足んねえ…」
 熱く放った最奥へと、また音を立てて突き上げながら薔は吐息のように言葉を落とす。

 グチッ、グチッ…ズプッッ――…

 「あっん…あっ、あっあっは…あっっ、」

 混ざりあうから音はますますいやらしく響いた。
 ナナはひたすらに喘ぎ、突かれながらどこまでも淫れる。



 「ナナ?」
 彼女の意識が飛んでいるからこそ、心から伝えられる言葉が薔にはあった。
 彼はナナの奥深くを激しく突き上げながらも、やさしい囁きを落とす。

 「おまえだけは何があっても…俺が護ってやる、」









 「ん…っ、あ…あっっん、」
 彼の覚悟がどれほど深く狂おしいものなのか、まだ知らずに、ナナは堕ちていった。
 ただ、彼の底へと。

[ 58/535 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る