※※第201話:Make Love(&Obscenity).118













 …――――――不安定。

 揺るぎなく、不安定だ。

 だからこそ愛はこんなにも狂おしい。















 「……何か、躰が熱くなってきた……」
 やけに火照りを帯びた表情で、薔は頬に両手を当てた。
 そのまま、なめらかな肌をしなやかに、ゆびが滑り落ちる様がまた扇情的である。

 「私が先ほど君に飲ませたのは……媚薬だからね、」
 眼鏡を光らせ妖しげに微笑んだ要は、彼の目の前の席を立つ。
 ふたりして囲んでいた薔の手料理が、急に息を潜めた。


 「もちろん、一番のプレゼントには君をくれるんだろう?」
 そして、彼の座る椅子の背もたれを撫でながら、要は後ろへと立った。

 「プレゼントならさっき…やったろ?」
 薔は息を乱している。



 「私は君が欲しいのだよ……」
 背もたれを撫でていたゆびが、そっと首筋を這い、下を目指す。

 「あ…っ、……やめろ…って、ん…っ、」
 いきなりぞくぞくと感じすぎて、薔は甘ったるい声を上げながらその動きを制止させようとする。

 彼の抵抗を、絶妙な愛撫でさらに感じさせつつ躱してゆきながら、

 「やめてもいいのかい?君の躰は今とても、厭らしくなっているんじゃないのか?」

 要は辿り着いた胸元の突起を、両手で遊ばせるようにゆびを動かした。

 「ほら、シャツの上からでもくっきりとわかるくらいに、乳首は膨れているよ…」









 「……っん、あ…あっ、やだ…っ、」
 抑えようとしても、声は上擦り対面式のキッチンからリビングへと響いてゆく。
 薔はビクビクと躰をふるわせながら、要のシャツの袖をぎゅっと掴んだ。

 「こっちも、はち切れそうだね…」
 要は彼のシャツのボタンを片手で外してゆきながら、下半身へと手を伸ばす。

 「あ…っ、ばか…っ、触んな…っ、」
 と言って抵抗を見せながらも、期待に全身はじんじんと疼いている。

 「今日は私の誕生日だぞ?口でも素直になったらどうなんだ?」
 お構いなしに要は、制服越しにソコへと触れて、

 「んんっっん、……や…っん、」

 激しくふるえた薔は彼のシャツを噛んだ。














 ……どふうっ…!

 鼻息まで荒くしながらこけしちゃんの禁断小説を読み耽っていたナナは、とうとう萌え悶えすぎてぶっ倒れた。
 ぶっ倒れはしたが、ノートはしかと手にしたまんまだった。

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