※※第229話:Make Love(on Her bed).135







 「……っ、は…っ、」
 収縮に感じた薔は息を上げ、動きを速める。

 (あっ…あっ、激し…っ、聞こえちゃっ…っ、)
 ベッドが一段と軋み、階下に響いてしまわないかとナナは思ったが、だからと言って緩めてほしいとも止めてほしいともこれっぽっちも思っていなかった。
 すべてを奪われているから、なりふり構っていられるような理性もすべて。


 「んんくう…っ、んっ…んっ、」
 ナナは過激なピストンにからだじゅうで悦びながら、枕に顔をうずめてひたすらに喘ぎ声を押し殺す。

 するといきなり、

 グイッ――――…

 「んあ…っ、え…っ!?」

 腕を掴んで引っ張られ、枕から顔を引き剥がされた。


 「や…っ、あっあっ、らめ…っ、薔ぅ…っ、」
 こんなにも速く激しく突かれていては、声を我慢することなど到底不可能だった。
 彼のほうを見ようとした彼女の顎を掴んで、先に向きを変えさせてしまうと、

 「奪ってやるから黙ってろ…」

 薔は動きながら覗き込むようにして、くちびるを奪いにきた。
 それは同時に、嬌声が奪われてゆくディープキスでもあって。



 「ん…っんっ、ん…うっ、」
 吸いつかれるくちびるから、呼吸も全部持っていかれそうだった。

 パンパンパンッ、パチュッ…

 「んく…っふうっ、ん…っ、」
 狭まる中を押し広げるように、大きなモノをいっぱいに嵌め込まれ体液はどんどん脚を伝う。

 一瞬だけくちびるが放されても、吐息を漏らす間もなくすぐに奪われて、

 「んっ…――――――…っっ!」

 彼へと擦りつけるよう腰を跳ねさせ、ナナは絶頂を得た。



 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をして、求め過ぎていた子宮目掛けて勢いよく迸りを注ぎ込んだ。
 体内が彼の鼓動に支配される。
 一度口内に出されたのだけど、中にはそれ以上にたっぷりと出されてナナはうっとりと搾り取った。

 「……っんっ、は…っ、」
 離れ難いくちびるが、そっと放され甘い吐息と視線が絡みあう。

 「次はおまえから動いてみろよ……」
 腰を撫でて、薔は淫靡な手つきで促し、

 「んっん…っんっ、んう…っ、」

 ナナはベッドに両手を突いて、彼のが奥へ奥へと当たるように腰を前後に動かし始めた。
 もちろん、彼女が動きだすと同時に、再びくちびるは奪われ、

 くにゅっ…

 混ざりあう体液がぐしょぐしょになって溢れだすなか、乳房を揉みしだかれる。


 「ん…っんうっ、ふっ…んっ、」
 おっぱい、また大きくなっちゃうのかな……とか考えたのはほんの頭の隅っこで、そのよぎった考えすら何とも淫らで、ナナはしばらく無我夢中になって自ら腰を動かしていた。
 彼女が自分で腰を動かすのは、過激にとはいきませんので、薔はもしかしたらそれも狙いつつ意地悪をしていたのかもしれません。

[ 489/535 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る